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ごすぺらぁず の ショートコント

≪こどもだまし≫

 

(暗転〜溶明/ブリッジ:「♪もういいかい〜、ま〜だだよ〜ぉぉぉ〜」)

 

北山、メガネをかけ、のびたくんのような格好で下手より登場。(小学生役)
出てきてすぐに立ち止まる。

北「今日は掃除当番だったから帰るの遅くなっちゃったな〜・・・早く家に帰って塾に行かなきゃ。」

安岡、麦藁帽子をかぶり、カランカランと鐘を鳴らしながら上手より登場。
荷台に紙芝居の台が備え付けられた古い形の自転車を押し、出てきてすぐに立ち止まる。

安「はい〜、紙芝居の時間だよ〜。さぁ、みんな寄ってってちょうだい〜♪」

安岡、鐘を鳴らしながら周囲に呼びかける。

北「『みんな』って・・・ボクしかいないみだいですけど?」
安「おお、坊や!さぁさぁ、紙芝居だよ〜。興味あるだろ〜?見たいだろ〜?」
北「いえ?特に。」
安「なぁんで?!」
北「いや、だってテレビの方がいいじゃないですか。イマドキ紙芝居なんて流行らないですよ。」
安「うぅ〜んっ、君冷たいねぇ〜!」
北「ホントのことを言ったまでです。」
安「・・・・・・は、はいっ!ほら!水飴だよ〜!おいしいよ〜?さ、どうぞ!」
北「母から『知らない人からモノもらっちゃいけない』と言われてますので。失礼します。」
安「いやいやいやいや・・・そんな、ね?ヘンなアレじゃないから!」
北「結構です。」
安「・・・頼むから!ね!あ、じゃあ水飴は食べなくていいから、見るだけ見て行ってよ!でないと、オジサン泣いちゃうから!」
北「・・・・・仕方ないですね・・・いいですよ。時間あまりないんで、手短にお願いしますよ。」

北山、やっと安岡の元(上手)へ歩み寄る。
安岡、嬉々として紙芝居の準備にとりかかる。

安「では!紙芝居の、♪は〜じまりはじまりぃ〜☆・・・桃から生まれた、もま・・・っ」(噛む)
北「(半拍食い気味に)失礼します。」
安「も、もう1回チャンスをくれ〜!」

北山、回れ右して下手側を向き、舞台中央まで歩く。
安岡、その場に立ち尽くし、動かなくなる。

 

(上手のみ暗転)

 

下手より、ジーンズに白Tシャツ、袖を切ったGジャン、頭に星条旗柄のバンダナを巻いた酒井登場。
出てきてすぐに立ち止まる。

酒「(以下、映画の吹き替え風の口調で)ぃや〜ぁ、ちびっこ諸君!」
北「『諸君』って・・・ボクしかいませんよ?・・・っていうか、今度は何なんです・・・?」
酒「はっは〜ぁ☆よくぞ聞いてくれたね!僕はねぇ、ヨーヨーの世界チャンピオンなんだよ。ちょっちゅね〜。」
北「・・・・・・」
酒「おや?どうしたんだい?世界チャンピオンのおでましに緊張しちゃったのか〜い?」
北「いえ、ヨーヨーに全く興味がないものですから。」
酒「おぅ、りあり〜?!ヨーヨーに興味がないちびっこなんて、世の中に存在するのかい?冗談はよしてくれよぉ〜?」
北「・・・・・・帰ります。」
酒「いや、あ、ちょっ、ま、待ちたまえ、君ぃ〜・・・短気は損気だぞぉ〜?子供のうちはもっと寛大な心を持たないといけないよぉ〜?」
北「・・・はいはい・・・見てあげます見てあげます。」

北山、やっと酒井の元(下手)へ歩み寄る。
酒井、嬉々としてポケットからヨーヨーを取り出す。

酒「き、君はなかなか話のわかる男だねぇ〜・・・じゃ、見ててね。」

酒井、ヨーヨーを持ちポーズを決め、深呼吸。

酒「鉄仮面に顔を奪われ、十と七歳。生まれの証さえ立たんこのあてえが、何の因果かマッポの手先。
2代目スケバン刑事、麻宮サキ!おまんら、許さんぜよ!!」
北「(半拍食い気味に)帰りますね。」
酒「おぉっ、ちょっ、浅香唯の3代目バージョンもあるんだよ?!そう言わずにさ、ほら・・・」

北山、回れ右して上手側を向き、舞台中央まで歩く。
酒井、その場に立ち尽くし、動かなくなる

 

(下手暗転・上手溶明)

 


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