(溶明)
カウンター、テーブル、椅子は撤去されている。
博物館。
ステージ中央に絵画(酒井の筆ペンで描かれた作品)が飾られている。
刑事、その前を右へ左へ行ったり来たりしている。
刑「そろそろ予告の時間だ。外も警察とマスコミが取り囲んでるし、どうやって侵入してくるつもりだ?」
『バン!』という音とともに暗転。
?「なんだ!どうした!?」
?「停電か?!」
?「早く明かりをつけろ!」
?「絵は!?絵は大丈夫かっ!」
『バン!』という音とともに陽転。
絵画がなくなっている。
刑「ない!・・・盗まれたのか!!」
下手からテレビ局クルー現れる。
眼鏡をかけたレポーター、キャップを後ろ被りし短パンを穿いたカメラマン、サングラスをかけた音声、カメラアシスタントの4人。
レポ「刑事さん、何かあったんですか?・・・あ!ない!絵がなくなっている!」
カメ「これはスクープだ!おい!早く!」
カメアシ「はいっ!」
カメラアシスタント、カラー調節のボードをカメラの前にかざす。
カメ「はい、カラー調整OK!」
音声「こっちもOK!」
カメラアシスタント、「5・4・3・・・」とカメラの前に片手でカウントを出す。
レポ「今、博物館の中です!つい先程10秒ほどの停電があり、駆け付けたんですが絵がなくなっています!
絵はどこへ行ったのでしょうか!?」
レポーター、立ち尽くす刑事にマイクを向ける。
レポ「盗まれたんですか?犯人はどこへ?!」
刑「退け!」
刑事、レポーターの肩を押し退け、下手へ向かい走る。
刑「絵が盗まれた!緊急配備しろ!あやしい奴がいないか、しらみつぶしに当たれ!」
刑事、下手へ走り去る。