刑事、ガムシロップとフレッシュを入れたところで、ストローがないことに気づく。
刑「すいません、ストローがないですよ。」
店員4「すいません、これで間違ったの2回目だ、ね〜。」
刑「2回目?」
店員4「いやいや、こっちの話。」
店員3、カウンターより出てくる。
店員3「失礼いたしました。」
店員3、差し出したのは、くるくるとハートをかたどったストロー。
刑事そのストローを受け取り、掻き混ぜ、飲む。
吸い込むと、ベージュのハートが浮かび上がる。
刑「わぁ〜☆かっわいい〜!・・・ってドアホ〜!」
刑事、ストローを引き抜き、床に向かって投げつける。
4人の店員、コソコソと話し、クスクス笑っている。
店員2「(小声で)バッカでぇ〜!飲んでやんの〜!」
店員1「(小声で)絶対、嫌いじゃないよね〜。」
店員4「(小声で)ノリツッコミうまいね。さすがだよな〜。」
店員3「(小声で)けどあれ意外と似合ってたね。」
刑「全部聞こえてるっつうの!」
店員2「当たり前だろ、聞こえるように言ったんだから。」
刑事、立ち上がり、店員にピストルを向け、構える。
刑「お前ら全員端から順番に撃っていっちゃる〜!」
店員「(ハモる)♪片手にピストル〜、心に花束〜、唇に火の酒〜、背中に人生を〜
(店員1、『♪じゃかじゃん、じゃかじゃかじゃ〜ん』と音楽担当)」
刑「♪あぁあ、あぁあ、あぁあ〜あぁあ〜」
4「ジュリーだ〜!『サムライ』だ〜!」
4人の店員、「お〜っ」と言いながら拍手。
刑「また乗っちまったぁ!」
刑事、頭を抱えて椅子に座る。
店員2「なんだよ。お前今日はいつになくイライラしてんなぁ。」
刑「実はだなぁ・・・駅前の博物館に展示している絵画を盗むっていう犯行予告が出てなぁ。」
店員3「ニュースでも取り上げてるよね。」
店員1「この犯人もバカだよね〜。『盗ります』って宣言しないで、警備の薄い時にコッソリ盗る方が盗みやすいと思うんだけど。」
店員4「警察だけじゃなくマスコミも待ち構えてるしね〜。」
刑「まったく!警察をバカにしやがって!絶対捕まえてやる!」
店員3「頑張って捕まえてね。見事犯人を捕まえたアカツキにはウチの店から何かごちそうしますよ。」
刑「ホントか?!今言ったこと忘れるなよ!絶対捕まえるから!」
刑事、コーヒーをゴクゴクと一気に飲み切り、カウンターに伝票とお金を置き、颯爽と下手に去る。
店員1「もぅっ、いきなり出て行っちゃうから『♪からんころんから〜ん』言えなかったじゃんか〜。」
(暗転)