「今度俺が抱っこしてみていい?」
「うん、いいよ。」
村上がそ〜っと抱っこし胸の中に収めると、赤ちゃんはまたもキャッキャッと笑顔を浮かべた。
「か〜わ〜い〜い〜っ!」
「変な意味じゃなくキュンと来たな今!」
黒沢は、村上の胸の中の赤ちゃんに顔を近づけ、指で頬を軽く押した。
「うわ、ぷにぷに〜!」
「マジ!?俺も俺も!」
村上も赤ちゃんの頬をつつく。
「何これ!ナイス触感!」
村上はひとしきり赤ちゃんの頬をぷにぷにした後、黒沢の頬を突いた。
「全然違う!」
「おいっ!俺じゃなくて自分のと比べりゃいいだろ!」
「キャッキャッ」
「おはよ〜ござ・・・えぇ!?」
次に到着したのは安岡だった。
「・・・ふたりの子?」
「アホか!」
「どうやって子作りするんだよ!ハイテクか!バイオテクノロジーか!」
「いや、処女でも脇の下から・・・」
「そもそも“処女”っていうのがおかしいだろ!」
「キャッキャッ」
「あ〜、もぅ!赤ちゃんの前で教育上よろしくないよ!」
「けどうれしそうだな。」
「ふたりの子だったら、致し方ないよ。」
「もういいっちゅうの!」
「・・・ん、ぎゃぁっ!」
「あ!泣いた!」
「ほら見ろ、安岡がつまんねぇことばっか言うから!」
「俺のせいかよ〜!」
「さっきオムツ替えたのになぁ〜?」
「え!?替えたの?」
驚きの声を上げる安岡。
「うん。見よう見真似でな。」
「女の子だったぜ・・・」
村上はわざと悪い笑顔を浮かべて言った。
「大丈夫?このおじちゃんに変なことされなかった?」
安岡が泣いている赤ちゃんに話し掛ける。
「こんなちっこいガキに発情するわけねぇだろ!冗談に決まってるだろ!・・・ま、穴が開くほどじっくり見てやったけどな。」
「穴は開いてるっちゅうの!」
「黒沢さんツッコミおかしい!」
「んぎゃぁ〜!ぎゃぁ〜!」
「あ〜!そんなつまんないやりとりしてる場合じゃないってば!」
「ハラ減ったんじゃね?」
「お!村上久々にいいこと言った!村上っ、早く胸出してっ!」
「出るわけねぇだろ!」
村上は黒沢に赤ちゃんを渡した。