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「あ、そうだ。ままぁ〜。」
「あ、はいはい。・・・ちょっと待ってくださいね。」

ももちゃんのママが紙袋から取り出したのは、1枚の画用紙。

「これねぇ、ももがかいたの!」

画用紙には5人が並べて描いてあった。
ご丁寧に豹柄スーツだ。

「あげる!」
「ホント〜?!ありがとぉ〜。」

安岡が絵を受け取り、5人でまじまじと絵を覗き込む。

「上手だねぇ〜!」

俺らしき黒髪の毛ツンツンの人物の胸には、黒猫らしきものも描かれている。

「くろも描かれてるね。」

たぶん俺が救出された後、みんなでももちゃんのマンションに戻った時の絵だろう。
この時点では、俺はまだ黒猫の格好だったワケだけど。

「お、ホントだな。」
「そう!それ、くろにゃんだよ!・・・あ、そうだ、おにいさん!」
「ん?何?」

ももちゃんにチョイチョイと服の裾を引っ張られ、俺は絵からももちゃんに視線を移した。

「おにいさんって、くろにゃんににてるねぇ〜!」
「えっ?!!」
「ぶっ・・・」

ももちゃんからのトンでもない意見に口をぽっかり開けてしまった俺と、一斉に噴き出す4人・・・。

「も、ももちゃん、ど、どういうところが俺と似てる、のかな・・・?」
「んと〜・・・あるくとことか!おどるとことか!ぴょこぴょこしてるもん!くろにゃんみたい!」

爆笑する4人。
どうリアクションとっていいのか全くわからない俺。

「たしかに!くろにゃんは猫のわりに動き鈍かったよなぁ!な〜、ももちゃん?」
「この前カレー屋であったくろは普通に俊敏だったのにな!」
「お、お前らなっ・・・!」

・・・ももちゃんすごいなぁ、偶然だろうけど、ズバリ言い当てちゃうんだもん。

「でも、ももはおにいさんがいちばんすきだよ〜!」
「ま、ま、マジでぇ〜?!ぃよっし!」

ガッツポーズで喜び、周りを見渡すと、4人ともくやしそうな顔をしてた!
マジすっげぇうれしい!なっちゃんのママで負けた分を取り返して大満足だ。
やっぱり『今年度 店持たせたい候補ナンバーワン』だよ、ももちゃん!


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