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17.Fünf(フュンフ)

 

車に乗り込んで、くろ以外の全員がため息をついた。

「かわいい子だったな。将来、店でも持たせてやろうかな。」

そんな村上の言葉に、“ももちゃんに店を持たせるのは俺!”と猫パンチを見舞ってやった。

「ぼくがおみせをあげるからだめ、っていってるよ?」
俺の言葉をご丁寧にくろが通訳してしまったもんだから、村上のデコピンを食らった・・・
すっげぇ痛い・・・

「次は・・・どうしましょう・・・?」
酒井が全員に尋ねる。

“メシ!”
「みゃぁ」

「ごはん!」「お腹空いた!」「メシ!」「何か食べない?」

全員一斉に同じ答えを示し、満場一致で“メシ”が採択された。

「ん〜、黒沢が猫だし、店には行けないな・・・」
「じゃ、さ、今夜も俺が作るよ!」
安岡が手を挙げる。

「ちょっと待ってよ。買い物どうするの?その格好で買い物するの?」
「・・・あ。」

北山のツッコミは適切だった。

そう、今の俺たちの格好は、豹柄5に黒猫1、だ。
こんなんで買い物したら、スーパーが大パニックになってしまう。

「寿司でもとるか!」
村上の提案に、安岡は「ウニ〜!」と叫んで大喜びしている。

「いつものあの店で、いいな?」
村上は早速寿司屋に連絡をするため、携帯電話を取り出した。

「えっと、ウニの軍艦も多めに!」
「俺は納豆巻きが食いたいな。」
「え〜、納豆!?てつ、納豆とウニ、容器分けるように頼んで〜!」
「てっちゃん、くろ君のためにサビ抜きも注文してあげてね。」
「あ〜もう!うっせぇよお前ら!・・・あ、もしもし?」

みんなのうれしそうな笑顔を見てたら、“カレーが食べたい”って言うのをすっかり忘れていた。

ま、みんなの元へ帰って来れたから、いいんだけどね♪
あとは・・・どうやったら元の姿へ戻れるか、だ・・・。


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