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12.das Mädchen(ダス・メートヒェン)

 

「ちっちゃいにゃんにゃん〜!かあいい〜☆」
女の子は俺を抱き、スキップしながら、なおもコンビニから離れていく。

“酒井〜!くろ〜!助けてくれ〜!”
「にゃぁおっ、にゃぁ、にゃお〜ぅ」

女の子の腕の中で必死に叫び声を上げるも、酒井とくろの耳には届かない。

「わたし、もも。にゃんにゃんは〜、まっくろにゃんにゃんだから、くろにゃんだね。くろにゃん、ももとずっとともだちだよ〜。」

名前付けられちゃった・・・
俺、この子に飼われちゃうの?

やだなぁ、飼われるっていう言葉の響き。
もはや人間じゃないもんな。

まぁ、くろは酒井に飼われてるようなもんだな。
けど格好は俺・・・いやいやいやいやいや!なしなし!俺の格好したヤツが酒井に飼われるなんて、ダメに決まってるだろ!!

「くろにゃん、ごはんたべましたか〜?」
ももちゃんと名乗る女の子は、俺に顔を近づけて尋ねてきた。

よく見るとかわいいな、この子。
あぁ、10年後に逢いたかった。
って10年後でも犯罪か?
とにかく、大きくなったら店のひとつでも持たせてあげたいぐらいだ。

って何考えてんだ、俺。
そんなこと考えてる場合じゃないだろ。

実際のところ、くろを阻止するために朝飯食わずに奔走していたからハラペコだ。

“実はおなかペコペコなんだよね〜”
「にゃおんにゃんにゃぁん」

「たべたい〜?」

“うんっ”
「にゃあ」

「じゃあごはんごはん〜」

俺の言ってることを理解できたワケではないのだろうが、ももちゃんの答えは偶然にも当たっていた。

「おうちかえったらいっぱいごはんあるよ〜。」

なんか・・・くろと話したらちょうどいい感じのレベルだな〜。ははは・・・

って、何をノンキに構えてるんだよ俺!こんな時に!
んで、まだあいつら助けに来ないのかよ!
俺は放置か?!どうなってもいいのか??!


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