酒井と、俺の姿になったくろ、くろの姿になった俺の3人・・・いや2人か?よくわからなくなってきたが、コンビニへ向かうことになった。
店の前に到着して、酒井は俺を足元に置いた。
「黒ポン、ちょっと待っててくださいね。ペットはダメって書いてあるんで。」
俺はいつから酒井のペットになったんだ!
“動物お断わり”って言われるならまだいいけど“ペット”って言うのはやめてくれ!
俺は店に入っていく酒井とくろの後ろ姿を店の前で見送った。
店内の様子が見えなかったのでコンビニのゴミ箱の上に飛び乗ってみる。
魚肉ソーセージに反応し、いきなり封を開けようとしたくろを酒井が叱りつけた。
あ、またくろ泣き出したなぁ、なんて思っていたら。
急に宙に浮く俺のカラダ。
「にゃんにゃんかわい〜」
え・・・?
状況把握するために首を1周ぐるりと回してみた。
俺は、小学校上がる前ぐらいの小さな女の子に抱きかかえられている・・・ようだ。
「にゃんにゃん、いっしょにおうちかえろうね〜」
え?
ええええええええ〜〜〜っっ?!
酒井!早く助けに・・・ってまたくろの頭撫でて謝ってるのか!
店員が変な目で見てるぞ、お前ら!
って思っている間にも、俺のカラダはコンビニからじわりじわりと離れて行っている。
“酒井!助けてくれ〜!”
「にゃん、にゃにゃぁ」