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「・・・・・噛みやがって、このバカ猫〜っ!首へし折ったる〜!」

村上が俺を追っかけてくる。

事務所内を3週ほど逃げ回った時だっただろうか、北山が村上を羽交い絞めにした。

「離せ北山!このバカ猫を・・・」
「待って、てっちゃん!・・・この猫、俺達の言ってることわかってる、みたい・・・。ツッコミどころが的確すぎる・・・。」

さすが北山!鋭いな!

「そう!そうなんですよ!人がせっかく説明しようとしてんのにぃ!あんたたち俺の話聞きなさいよ!」
「酒井、ホントか?この猫、人間の言葉がわかってんのか?」

村上もやっと聞く気になった模様。
まったくもうっ、世話の焼ける・・・。

「論より証拠ですよ。まぁ見ててくださいな。」

酒井は俺を抱き上げて、テーブルの上に乗せた。

酒井は俺に耳打ちする。
「昨日のアレ、歌いますから。」

“おぅ。”
「にゃっ」

俺は片手を挙げてOKの合図をした。

「ホクさん、音叉鳴らして。」
「へ?」
「いいから、早くっ!」

北山が首を傾げながら音叉を鳴らした。

酒井が指を鳴らし、カウントを取った。

“ABCDEFGHIJKLMNOP〜♪”
「にゃぁぁぁぁぁぁ」

俺は、酒井が歌う「いろは」のリードボーカルに合わせて声を重ねた。

昨日と同じく、ちゃんと歌えてるかどうかは別として、楽しむように自分のパートを歌った。

“ABCDEFG♪”
「にゃぁぁ〜にゃ」


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