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“・・・ごめんな、酒井・・・”
「にゃにゃ、にゃぁ」

酒井の方に向き直し、頭を下げて謝る。

「・・・あっ、寒いんで早く入っちゃいましょうか!ね!」
俺が落ち込んだことに気づいたのか、酒井が努めて明るい声を出した。

「湯、掛けますよ〜」
背中の方からシャワーを掛けてもらう。

おお〜っ、温かくて気持ちいい〜!

「ちょっと待ってくださいね〜」
酒井もバスタオルを巻いたまま自分でシャワーを浴び、湯船に浸かった。

「はい、お待たせ〜」

俺の首根っこを掴んで湯船に入れ、立てた膝の上に俺を乗せた。
深さを調節して溺れないようにしてくれてるのか。さすが酒井。

“うへ〜ぃ、極楽極楽〜”
「にゃぁ〜、にゃにゃにゃにゃん」

猫になっても風呂はいいもんだ。
気持ちいいなぁ。今日1日の疲れが吹っ飛ぶようだ。
思わず鼻唄も出るってもんよ。

“♪一世一代の〜ロマンスを〜、希ぃ代〜の名曲を〜・・・”
「にゃ〜ぁにゃぁにゃぁにゃ、にゃにゃにゃぁ、にゃ〜ぁにゃぁにゃぁにゃおぅ」

「あははっ、何歌ってるんすかぁ〜!もうっ。」
すごっ、酒井。今のもわかったのか。さすが猫好きだな。


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