「そろそろ上がりますかね。」
酒井が俺を抱えて湯船から出た。
「ボディソープでいいですかね?」
“いいよ。”
「にゃっ」
片手を挙げてOKのポーズ。
酒井が手のひらにボディソープを出し、それを泡立てた手で俺の背中をゴシゴシ洗う。
“気持ちいいなぁオイ”
「みゃぁぁぁ〜」
脇腹の辺りをゴシゴシされる。
俺は無意識のうちに腹を上に向けて風呂の床に寝そべり、喉をゴロゴロと鳴らした。
「はははっ!お兄さんお兄さん、今完璧に猫になってる猫になってる!」
酒井がケタケタ笑いながら洗っている。
だってカラダが勝手に反応するんだよぉ〜!恥ずかしくて泣きそう!
「あ、おなかの辺はやめときますね〜。」
おぅ。マジでやめてくれ。それは俺のプライドが・・・。
「目瞑ってください。顔の辺り洗うんで。」
ぐっと目を閉じると、酒井の指が俺の顔を指の腹でやさしく擦ってくれた。
「カレーでベタベタになってますよ。」
顎の辺りを擦られるとまたゴロゴロと喉が鳴った。
最後に酒井が俺のしっぽの根元を握り、しっぽの先に向かって手をシュッシュッと滑らせてフィニッシュ。
「流しま〜す」
目をぎゅっと閉じたまま、シャワーの湯を浴びる。
「は〜い、OKでぇす」
“ありがとう。気持ちよかったよ〜”
「にゃん、にゃにゃぉ〜ん」
酒井を見上げ、頭を下げた。
「いえいえ、ど〜いたしまして。」
酒井も同じように頭を下げる。