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「何。あとのふたりは?」
「あいつらよぉ、『カレー食って満腹だからいいわ』とか言いやがんの。バカだよな〜!ここの県来て、魚介食わねぇとか何考えてんだよなぁ!
そんなことより!ほらっ、お前らの分も取っておいたぞ!早く食え〜!
あと、ほら、コレ見ろコレ!○○牧場のチーズケーキもあるんだぞ!
コレさぁ、ここら辺では超有名なスイーツで、数に限りがあるから普段は入手困難なんだけど、今日は特別にココで焼いてくれてるんだってさ!
ここのケーキを食わずして帰れるかってんだよな〜!しかも焼き立て!くぅ〜っ、たまらんよな!ほら!安岡!冷めないうちにチーズケーキ食え食え!
北山は、ほら、こっち!ハウス栽培のフルーツ盛り合わせ!糖度が高くて、東京で買ったらすンげぇ高値なんだぞ〜。これなら食えるだろ?ほら食え!」

村上のマシンガンウンチクに、ふたりは引きつった笑みを浮かべながら目の前に置かれた料理に口をつけ始める。

「さ、さすがっすね・・・何でもよく知っていらっしゃる・・・」
「おぅよ!俺の『脳内食べログ』が火を噴くぜ!」
「いや、脳で火噴いたら恐いから・・・」

 

結局、満腹になるまで料理を食べるハメになった北山と安岡。
もう食べられないと行って逃げ出して、スポーツ用品の置かれたテントへと戻ることにした。

テントの下では、ユニコーンの川西・手島・EBIの3人が、キャッチボールを中断し、深刻な面持ちで何やら話し合っていた。

「おお、ゴスペラーズくん。」

ふたりの存在に気づいた川西が片手を上げて声をかける。

「お疲れさまで〜す。・・・って、どうかされたんですか?」
3人の異変を察知した安岡は、あいさつもそこそこに疑問をぶつけた。

「あのさぁ、民生と阿部、見かけんかったか?」
「民生さんと阿部さんですか?」
「いえ?見かけてないですけど・・・」
「さっきEBIが投げたボールがすっぽ抜けて、あっちの森の方に飛んでいってな、ふたりで探しに行ったんだけど、まだ戻らなくてな・・・」

その言葉に驚いた北山が、「え?森の中は探されました?」と聞き返した。
しかし、「俺ら探しに入ったけど、いなかった。なぁ。」と3人が顔を見合わせ、うなずく。

「そうなんですか・・・僕たち、ケータリングのテントに戻ってたんですけど、お見かけしませんでしたよ?」
「そうか〜・・・なんか、今から会報の取材があるらしいから、そろそろ行かないといけないんだけどな・・・。
あ、そうだ。俺たち先に行くから、もしふたり見かけたら、俺たちに至急連絡するように言ってほしいんだけど。」
「わかりました。僕たち今ヒマなんで探して声かけてみます。」
「ありがとう、助かるよ。じゃ、行ってきます。」
「いってらっしゃ〜い。」

北山と安岡は、ユニコーンの3人に手を振って見送った。


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