「あ〜、それにしても・・・ビビったな・・・」
「ナマだよ・・・ナマのユニコーンだよ・・・やっぱ貫禄すげぇよ・・・」
「・・・で、何やる?」
「あっ、そうだった!じゃ、サッカーでも。どう?」
「うん。いいかも。」
「じゃ、やりますか!」
サッカーをすることになり、安岡が黒と白のボールを手に取った。
「懐かしっ!こんなクラシカルな柄のボール!ひっさびさに見たよ、こんなの!」
「たしかにね〜。」
ワイワイと楽しそうにキャッチボールをするユニコーンのメンバーをしりめに、サッカーボールをふたりでパスを出し合う。
5分ほど繰り返していると、北山のポケットから着信音が流れた。
ふたりはパスを中断し、北山はスマートフォンを取り出した。
「はいは〜い。」
『おぅ、北山?』
電話をかけてきたのは村上。
北山は、安岡にも聞こえるようにハンズフリーモードに切り替えた。
「何?どうしたの?」
『おい、今すぐ“ごちそうテント”に来いよ。』
村上の言葉に、安岡が「何その“ごちそうテント”って。意味わかるけどネーミングセンスひでぇよ・・・」と早速突っ込む。
『お、安岡もいんの?ちょうどよかった。水揚げしたばかりの魚が、ついさっき漁港から届いたらしくってよぉ!
今さばいたばっかりの刺身とか海鮮丼とか、すンげぇ置いてある!鮮度のいいうちにお前らも食え!早く来い来い!』
「いや、でも俺たちハラ減ってないし〜、」
『お前らの分も確保して待ってるからな〜!!』
プツッ。・・・ツー、ツー、ツー・・・。
村上は一方的に言うだけ言って電話を切ってしまった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「行ってあげようか・・・」
「うん・・・」
ふたりはサッカーボールを所定の位置に戻し、村上がいるケータリングのテントへと歩き出した。
テントに入るなり、村上に「お〜ぅ!待ってました〜!」と声をかけられ、村上の元へと向かう。