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「お兄さん、どう?ここ。」
部屋を出て通路でスニーカーの紐を結んでいる俺に、オヤジが問い掛ける。

その時、カツカツとヒールの足音が近づいてきた。

紐を結びながら顔だけを上に上げると、露出度の高いセクシーな格好をした綺麗なお姉ちゃんがこっちに近づいて来るのが見えた。
お姉ちゃんは俺の目の前を横切り、隣の202号室へ入って行った。

俺は唾を飲み込んだ後、オヤジに言った。

「こ、ここに決めます!」

 

すぐさま店に戻り、契約を取り交わし、オヤジに初期費用を支払った。

 

予定より安く済んだため、早速大学の近くにあるディスカウントストアへ向かった。
余った金で自転車とテレビと布団と枕、あとその他諸々買い、自転車にそれらを積んで“俺の部屋”へ“帰った”。

掃除を済ませ、部屋の真ん中で大の字に寝転ぶ。

「やったぁ〜!俺の部屋だぁ〜!」
大きな声でひとりごと。
ひとりごとを言っても恥ずかしくない。
なぜなら一人暮らしだから。

家族の存在を気にせずにエロ本・エロビデオも堪能できる!
なんて快適なんだ!

しかも・・・彼女できたら部屋に連れ込める!

あと、ベランダに隣の姉ちゃんの下着がヒラリ〜っと飛んで来て、「下着、そっちに飛んじゃったんですけどぉ〜」とか言って部屋に来てくれないかな〜?・・・なんて思う俺はエロビデの見過ぎだろうか・・・

ま、とにかく。
一人暮らし最高!
一人暮らしバンザイ!


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