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俺は急いで病院内へ戻った。

「おやっさんが知り合いの運送屋さん手配してくれたよ。俺らもトラック乗せてもらえるってさ。」
みんなの元へ戻ってすぐ報告する。

「さすがおやっさんだな!」

酒井と北山、それに安岡も、おやっさんと会ったことはない。
だが、以前からおやっさんの武勇伝を数々聞かせてやっていたので、その存在は知っているのだ。

俺はお母さんの元へ向かった。

「知り合いに頼んでトラックを手配しました。お母さん、黒沢君があの部屋にいた時の、物の配置って覚えてます?」
「う〜ん、たぶんわかると思います。」

俺は走ってナースステーションに向かい、ペンとメモを借りる。

薬剤名の書かれたペンとメモで部屋の間取り図を書いて、お母さんに見せた。

「ここにテレビと〜・・・ここに冷蔵庫と〜・・・ここに小さいタンスと〜・・・」

お母さんが間取り図を指で指し示した場所に、俺がペンでそこに置くべき物を書き加えていく。

「ん〜、だいたいそんな感じだったかしら?」
「わかりました。ありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ。ありがとうございます。娘には私から連絡しておきますので。」

お母さんは俺たちひとりひとりに向かって深々と頭を下げた。

「お母さん。あいつが元気になったら、あいつと一緒にあの部屋遊びに来てくださいね。」
「はい。是非。」

俺はメモに自分の携帯電話の番号を記し、お母さんに手渡した。

「なんかあったら何時でもいいので連絡ください。・・・では失礼します。」

俺たちはもう一度お母さんに頭を下げ、黒沢の病室前を後にした。


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