「こんな素敵な方々とお友達になれたなんて、あの子は幸せ者です・・・。
あの子の部屋にある物は持って行ってもらって構いませんよ。」
涙を拭いながら、お母さんは気丈にも笑顔を見せてくれた。
その笑顔はあいつそっくりだった。
絶対にあいつに笑顔を取り戻してやるんだと心に誓った。
「でもさ・・・どうやって運ぶの?」
北山が不安げに尋ねてきた。
「・・・あ。」
「まさかっ!アンタ運ぶ方法考えてなかったんじゃないでしょうな?!」
酒井がまたも呆れた表情を見せる。
「・・・そのとおりでございます・・・」
がっくりうなだれる俺。
「ノープランだ!アンタ、ノープランすぎる!」
酒井もがっくりと肩を落とす。
「あっ。レンタカー・・・」
思いついたことを口に出してみる。
「もう閉まってんじゃないの?」
「それもダメか・・・」
あ。そうだ。
ダメモトで聞いてみるか。
「ちょっと電話かけてくる」
「アテ、あるの?」
「わかんねぇ。」
俺は返事もそこそこに病院の外へと走った。