5.交。
講義が始まる5分前。
まるで広○涼子の曲名のような言い回しになってしまったが、俺はいつものようにあいつら3人とダベっていた。
「で、黒ポンは?」
「相変わらず俺の部屋にいるよ。朝、出る準備してる時、いつもグースカ寝てやがってさ、殺意を覚える時があるよ。」
「殺意を実行に移したところで死なないだろうけどな。」
「それで?・・・どうなのよ、そっちの方は?」
「あ?・・・やってねぇよ。あいつが現れてから、かれこれ2週間近くになるよ・・・」
「すっげ!」
「信じられない・・・てっちゃんが2週間も我慢するだなんて・・・」
「ぬぁ〜っ!めちゃくちゃたまっとる〜!抜きてぇ〜!」
俺は、頭を抱えて苦悩するクマのように頭を振った。
「断末魔の叫びというやつだな・・・」
「もうね、2週間我慢するとね、仙人の域に達するね、マジ。明日ぐらいには髪の毛とか真っ白になりそうだもん、俺。」
「んな大袈裟なぁ〜!」
「そうだ。じゃあさ、俺たち3人で黒ポン連れ出してあげるから、その間にすれば?」
「北山っ、ホントか!?是非頼むよ!」
俺には北山が白衣を着たナース・・・じゃない、白衣を着た天使に見えた。
せ、背中に翼も見えるぞ、今の俺には〜っ!
「さすがホクさん!俺、たまりにたまった人間の末路というものを観察したかったから、そんなアイデア全く思いつかなかったぞ!」
「・・・酒井・・・お前ぶっ殺す・・・」
「は、はは・・・冗談だよ村上くぅ〜ん。俺たち仲間じゃないか。ははは・・・。」
「・・・嘘くせぇ言い方が気に食わねぇ。」
「とりあえずさ、今日、講義終わったらテツんちへ行こう!決定!」
「黒ポンのことを考えて1時間半後ぐらいには部屋に戻るから、それまでには済ませといてよ?」
「1時間半あったら充分だっつうの!猿じゃねぇんだから!」
♪き〜んこ〜んか〜んこ〜ん。
チャイムが鳴り、俺らはバカ騒ぎを止め、ノートを開いた。
うわ〜、久しぶりに抜ける〜!
誰のビデオにしようかな〜?
今日はナースモノの気分だな〜・・・
あ、女教師モノでもいいな〜・・・
どっちにしようかな〜・・・
・・・やっべ・・・講義、耳に入んなくなってきた・・・