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「お見事だな。さすが我が社選りすぐりの精鋭技術者集団だな。」
「あなたが・・・社長ですね。」
先程までノートパソコンで社長について調べていたヨウイチは、新たに現れた男が誰であるかすぐにわかった

「あなたは何でこんなことを?」
ヨウイチは社長を刺激しないように核心に迫る。

「コンピューターなんて、脆いものだ。それを世間に知らしめようと思ったんだ。」
「何故そんなことを知らせる必要があったんです?あなたもコンピューターに携わって会社をここまで大きくした。なのに何故?」
「最初は世界のコンピューターを守るために心血を注いでたんだ!それなのに・・・!」
「それなのに?」
「アイツは・・・『娘はお前なんかにやらん』と言いやがったんだ!」
「あいつ?誰のことです?」

ヨウイチが社長に尋ねる。

社長が口にしたのは、誰もが知っている名前。
世界最大手のコンピューター会社の社長の名前だった。

「アイツの会社のコンピューターがちゃんと動くように・・・
アイツの会社のコンピューターを危機から守るために『L.U.V.』を開発して頑張ってきたのに・・・
彼女を心から愛していたのに・・・アイツは俺のことを『人の弱点を利用した商売をしている』などとぬかしやがって・・・!」
「で、あなたの恋人は?」
「どこぞの大金持ちと結婚したそうだよ。アイツはああいう奴だ。金がすべてで、自社の商品だけが大事なんだ。
他人であれ家族であれ、人の気持ちなんて考えない。自分の得になることしか考えないヤツなんだ。
そんなヤツは自社の商品で泣きを見て、人にも金にも見離されてしまえばいいんだ!」
「それでもあなたは今でも・・・『I love you』、彼女を愛しているのですね。」
「当たり前じゃないか!・・・当たり前だ・・・心から愛していた人をそんな簡単に忘れるワケないだろ!」
「あなたが彼女との仲を引き裂かれた憎しみからウィルスを作ったと知ったら、彼女はきっと悲しみますよ。
彼女だってあなたと別れることになって傷ついているはずです。あなたは、今度はご自身の手で彼女を傷つけてしまうのですか?」
「うるさいっ!」

社長は、ユタカに突き付けていた銃をヨウイチに向けた。

「ヨウイチ兄ちゃん!」

パンパン!!


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