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「舞台袖で操作できるものは、手が空いてる人間が交代でやればいい。
全員出演だといっても、全員がずっと舞台に出っぱなしなワケじゃないんだから。
スポットライトの方は体育館の2階で遠いから、提案した俺と北山のふたりで交代してやるから問題ない。」

・・・さすがThe 学級委員s、反論が出ることも想定済み、か・・・ヌカリなしだ。

「あ、スポットライトなら俺がやってもいいぞ?」

突然、鈴木先生がそんなことを言い出すもんだから、反対派の勢いはみるみる目減りした。

「先生、ホントですか?」
「ウチのクラスの出し物が盛り上がるためなら、いくらでも手伝うぞ。」
「うわぁ、うれしいな。助かります。」

The 学級委員sが揃って鈴木先生にアタマを下げる。
これは・・・非常にまずい展開だ。

「では採決を取ります。劇に全員参加に反対の人、手を上げてください。」

さすがに反論するヤツは出てこない。
そんな意思表示ができるぐらいの人間だったら、劇に出ることも苦じゃないだろう。
それに『賛成の人、手を上げて』じゃないところが、また・・・。
うまくコトが運ばれてるなぁ。

「・・・反対意見がないようなので、全員参加の劇に決定しました。」

パラパラとまばらな拍手。
俺も音を立てない程度に手を叩くフリをした。

「台本は俺が書こう。台本が完成したら配役を決めることにしよう。」

酒井の言葉に北山が頷き、「今日のホームルームは以上です。」と締めくくった。


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