【3.サラリーマン1年生】
各デスクの上には、今のノートパソコンの3倍ぐらいの厚さのノートパソコン・・・ではなくシャープの「書院」。ワープロだ。
ワードプロセッサーって懐かしい響きだな。
事務室の片隅に1台だけ置かれたパソコンは・・・WindowsではなくMS-DOS。
画面は真っ黒で、Windowsの起動画面みたいな感じだ。
「これどうぞ、よかったら。」
と、女性事務員から手渡されたのは、事務員さんご愛用の黒い“腕カバー”。(正式名称不明)
ヒジから下に装着したら、事務仕事初体験の俺もそれなりに見えてくるから不思議だ。
でもこれ、ヒジの辺りにつけたらちょっと三沢っぽくもなるよね。
「では早速簡単なものから・・・」
ということで、郵便物の切手貼りからスタートだ。
郵便番号は5ケタ。
料金も、切手は「41円」とか封書は「62円」とか、すっごく中途半端な金額だ。
水を浸した円形のスポンジに切手を乗っけて濡らして、ペタリペタリと貼っていく。
何だコレ、楽しい〜!楽勝じゃない?
「終わりました〜。」
「じゃあ、これね、郵便局行って投函して、あと窓口で切手を買ってきてください。
領収書もちゃんともらってきてくださいね。」
「は〜い。」
「場所はね、」
郵便局の場所を地図で教えてもらって、お金を持って、いざ出陣。
いやぁ、それにしても、歌手もいいけど事務もなかなかいいね!
地味だけど。
軽やかなステップで郵便局へ向かい、局前のポストに郵便物を投函。
局内に入って切手を大量購入だ。
領収書をもらうのは日常的にやってるから慣れている。
「ありがとうございました。」
いかにもマジメそうな郵便局員に見送られ、郵便局を後にする。