「任務完了〜っと。・・・ん?」
郵便局を2,3歩出たところで、俺は立ち止まった。
「・・・・・・あ!そうだ!!」
あることに気づき、その場で財布を取り出し、カード類を漁る。
「・・・あっ、たぁ!!」
塗料が剥げてすっかりボロボロになった郵便局のキャッシュカード!
振り返ると、局内入口にATM!
「ぃよぉ〜っし!やったっ!!」
事務所からの振り込みは銀行口座宛で、お年玉ストック用の郵貯はすっかり放置したまんま。
たぶん権利消滅しちゃってるんじゃないだろうか。
でもまだこの時代の郵貯は生きているはずだ。
古くさいタッチパネルのATMに恐る恐るカードを挿入する。
ごめんね中学時代の俺。
お前のお年玉で貯めた金、ちょっと借りるよ。
あとで絶対返すから!・・・返せたらだけどね。
『アンショウバンゴウヲ、ドウゾ』
反応した!
暗証番号は、っと。
ピッ、ピッ、・・・ピッ、・・・ピッ・・・
働いているわけじゃないから残額はそんなにない。
あまり大量におろしたら、中坊の俺が可哀想だ。
「とりあえずこれだけ貸して!」
2万円、っと。
1万は事務室長に返さないといけない。
残りの1万をうまくやりくりして、元の時代に戻るまで耐えしのごう。
持ち金が底を尽きたら・・・またその時に考えようっと。
カシャンと開いた支払口から貴重な旧2万円を取り出し、財布の中にしっかりと収めた。