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俺は美術室に向かって猛ダッシュした。
目的はもちろん・・・黒ぽんを探すためだ。

美術室のドアをノックもせず開き、中にずんずん入っていく。

「黒沢くんっ?!どこ?!」
キョロキョロと見渡すが・・・黒ぽんの姿は見えない。

「キャンバス持ってどこか行きましたよ。」
「最近ずっと美術室の外で描いてるみたいです。」
「わかった!ありがとう!」

美術部の生徒たちが教えてくれた言葉を頼りに、走り続ける。

「黒沢くぅ〜ん!いたら出てきて!・・・黒ぽぉんっ!」

廊下を走り、グラウンドを駆け抜ける。

「ねぇ、黒沢くん!お願いっ!早くっ!早く出てきてよ!」

体育館、エントランス、食堂、図書室、教室、屋上・・・ありとあらゆるところを探したが黒ぽんは見つからない。

「なんで・・・どこ行っちゃったんだよっ?!」

突如、どこかの教室の窓がガシャ〜ンと割れる大きな音が耳に届いた。
その直後、大勢の生徒たちのざわめきが起こり、事務員でもある俺は一旦黒ぽんを探すのをやめ、音のする方へ向かった。

人だかりができている教室に到着し、人をかき分けかき分け、教室の中へと入ってゆく。

文化祭で発表される劇のセットが製作中に崩れ、窓ガラスを突き破ったようだ。
割れなかったガラス窓を開け、下を覗き見る。

校舎の裏、生い茂った草の上に大きなベニア板や細い木材が落ちている。
それに埋もれているのか、黒いズボンの足元と靴のようなものも見える。

その傍らには・・・キャンバス・・・?!


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