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【7.すれ違い】

 

あれからテツと黒ぽんを引き合わせられないまま、1週間以上の時が経ってしまった。

カレーをおごり続けて、経済事情もなかなか厳しいものがあったが、さっき初のお給料が出た。
数万円だけだけど、かなり助かる。
これで中学時代の自分にお金を返せるし。あとで郵便局行った時、預け入れしとかなきゃな。

とりあえず、残る問題があのふたりのことだけになったので、幾分か気分が軽くなった。

 

「黒須から聞きましたよ。文化祭で歌やるんですね〜。」

昼休み。
一緒に食堂に向かう黒ぽんが俺に話を振ってきた。

「ん、一応ね・・・」

黒ぽんは曖昧に答える俺に気づく様子はない。

「黒沢くんは?・・・文化祭で何か・・・」
「俺ですか?絵を描いて美術部に貼るぐらいですかね〜。クラスの出し物もあんまり興味ないし。
ああいうのはクラスの中心人物にまかせとけば何とかなるもんですよ。」

ホントに興味なさげに返事する黒ぽん。

「村上くんは・・・高校生最後の文化祭だ、って意気込んでるよ?」
「・・・人種が違いますから。」
「人種って・・・」

ああもう。
どうしたら黒ぽんとテツを結びつけることができるワケ?
もう俺にはわかんないよ・・・

「や〜す〜お〜さ〜ん!」

後ろから走ってきたテツに呼び止められる。

あっ、ふたりがやっと顔を合わせた。
今がチャンスなんじゃない?!


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