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「テトス・・・!!」
4人が表情を強張らせ俺の元へ駆け寄ってくる。

俺は、自らの黒い上着のサイドから、震える手を胸元に向かって差し入れた。

そしてそこから・・・聖書を取り出した。

お守り代わりに胸元に入れておいた小さく分厚い聖書をよくよく見ると、銃弾はごつい表紙 あと1枚のところで止まっている。
まさかこんなカタチで役に立つとは思わなかった。

「・・・うっそぉ・・・」
「マジで・・・?」
「・・・っ〜か、俺も信じらんねぇ・・・」

「警察だっ!!」
聖堂のすべての扉から一斉に、武装した警察官が大量になだれ込んできた。

「こんなこともあろうかと、前もって警察に通報しておいたのです。」
司教は、ひとり落ち着き払った様子でそう語った。

警察は、組長とふたりの舎弟を取り押さえて拘束すると、さっさと連行していった。

「“神を信じる者を、神はきっと守ってくださる”、ってやつか・・・」
「そうです。それと、“この肩にすがって、僕を頼りにして”、ですね。」

大真面目に言う司教が可笑しくて、俺は「ははっ」と短く笑って立ち上がった。

「あのさ・・・」
「何でしょう?」
「俺・・・ここに残ってもいいんだよな?」
「もちろんです。・・・あなたに神のご加護がありますように。」
そう言って司教は胸の前で十字を切ってみせた。

俺も同じように十字を切り、祈った。

・・・ここにいるすべての人々に、神のご加護がありますように。と・・・

 

 

† HAPPY END †

 


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