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食器が洗い終わる頃、雄二さんが茶封筒を持ってリビングへやってきた。

「はいよ〜。完成。」
「ありがとうございます!」

蛇口を閉め、タオルで手を拭き、もう一度手が濡れていないことを確認して封筒を受け取った。

「また来月も頼むよ。」
「はい!こちらこそ!それでは、失礼します!」

軽やかな足取りで、でも原稿はしっかりと持って、先生たちの元を後にした。

 

社に戻り、待っていてくれた編集長にもう一度詫びを入れ、原稿を渡した。

「ほぉ・・・ついにヒロイン、告白かぁ・・・」
「え・・・?」

編集長から原稿を受け取り、目を通す。

ストーリーが・・・変わっていた。

ヒロインは一度、彼の元を去る。が、再び舞い戻り、本当の気持ちを伝えた。・・・「愛しています。」と。

「編集長・・・街角先生って、すごいですね・・・」
「当たり前だろ?あの、『街角みち子』だぞ?すごいに決まってんだろ?」

編集長は満足気に笑ってみせた。


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