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無事、原稿は何とか間に合い、連載に穴が空くことはなかった。

『コーリング』発売日、社内を歩いていると、会う人会う人に笑われた。

「なんだよ〜。俺の顔に何か書いてあるとでも言うの??」
ワケもわからず、編集部に入った。

「お?噂の安岡くんのお出ましだぞ。」
編集長が部内に届くような大声で言う。

「あ・・・あの、何なんですか?さっきから俺を見てみんなクスクス笑うんです・・・」
「ほら、これ。街角先生の作品を読んでみろ。“隅から隅まで”な。」

発売されたばかりの『コーリング』を手に取り、先生の作品に目を通した。

「・・・・・・・・・ぁあ〜〜っ!?」

主人公の父が読む英字新聞。

記事をよく見てみると、ローマ字で

“Happy Birthday!Yasuoka kun!kanojyo to yori wo modosete yokattane!”

「“ハッピーバースデー ヤスオカクン カノジョトヨリヲモドセテヨカッタネ”?!・・・何ですか、コレ!?編集長、もしかしてあの時・・・!」
「ああ、もちろん気づいてたよ。けどあの時消す時間もなかったしな、仕方ないな!ははははは!」
「編集長っ!!もうっ、確信犯じゃないですかぁっ!ひどいですよぉっ!」

なんだか、“先生たち”にこれからも振り回されそうな予感・・・

それでも。
俺は頑張る。
自分のために。先生のために。
そして、先生の作品を待ってる、あなたのために・・・

 

 

☆end☆


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