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第3話
別の場所でも(1)

 

さて、少し時間を巻き戻してみよう。

同じ日のゲッ高。
放課後の教室で陽一がひとり寂しくオカルト同好会を開いていたちょうどその時。
教室の後ろのドアに埋められている小さい窓から、陽一の様子を窺っている人の影があった。

「・・・あ〜、あいつまたヘンなことやってる〜・・・気になるっ!ものっすごい気になるっ!」

男子生徒がドアに張りついたまま小声でブツブツ呟いている。

彼の名は安岡優。
陽一のクラスメイトである。

「よしっ、今日こそは話しかける!話しかけて仲よくなる!友達になる!・・・でも、なんて声かけたらいいんだろ?
“いつもひとりでなんかヘンなことしてるよね?”・・・ダメだ、そんなこと言ったら失礼じゃん!
え〜と・・・“ボクも宇宙人のこと研究してるんですよぉ〜☆”・・・あ〜、これじゃダメだ、こっちに宇宙人に関する知識がなさすぎだし・・・う〜ん」

・・・それにしても長いひとりごとですね・・・。

「よしっ、決めた!普通に声をかけよう!
“あのさ、オカルト詳しくないけど、興味はあるんだ。同好会入りたいんだけど、いいかな?”・・・これでよし!
あとは噛まないように気をつけて、っと・・・」

ようやく結論が出たようですな・・・

優が教室のドアに手をかけようとした時だった。

がつ〜ん!!

どこかから飛んできた何かが、優のアタマに直撃。
優はあまりの衝撃に気を失い、その場にぶっ倒れてしまった。

そんなことにまったく気づいていない陽一は、教室でひとりため息をつき、前のドアから教室を出、後ろを振り返ることなく立ち去っていった。
優さん、不憫です・・・。


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