第2話
侵略開始!(2)
『・・・んん〜・・・はっ?!』
「ようやくお目覚めか〜?カエルさんよぉ?」
『げっ?!なんだこりゃあ?!』
謎の生物が驚きの声を上げるのもムリはない。
捕えられ、カラダをヒモでぐるぐる巻きにされたあげく、どこから持ってきたのか木刀が鼻先に突きつけられていたからだ。
「どういうことか説明しろ!お前ナニモンだ?!」
『ひぃっ!』
「答えろ!!」
哲也が凄みながら木刀で謎の生物の頬をつつく。
『わ、わぁったよ、こ、答えるから!』
「何だ、早く言えっ!」
『俺は、この星に侵略、征服するためにハモリン星からやってきたムララ軍曹だっ・・・!』
「地球征服っておま・・・?!この期におよんでふざけやがって!ぶっ殺してやる!」
謎の生物を叩きつぶさん勢いで振り上げた木刀が、横から阻止された。
哲也の横に立っていた陽一が、哲也の腕を掴んだのだ。
「陽一?!お前なんでとめるんだよ?!」
「えっ?!だって彼、宇宙人だよ?!すごくない?!せっかく知り合いになれたのに叩いたりしちゃダメだよ!」
うれしそうな笑顔を浮かべた陽一が、いつもの2.8倍ぐらい目をキラキラ輝かせて哲也に熱く語る。
「バカ!何ノンキなこと言ってんだ?!さっきのコイツの攻撃見ただろ!本気と書いてマジだったじゃねぇか!
それにコイツ『地球征服する』って言ってんだぞ?!そんな友好的な理屈が通用するワケねぇだろ!
ウソにしろホントにしろ、やられる前にやっちまわねぇと、俺らの身があぶねぇかもしんないだろうが!」
「んもぅ、兄ちゃんはすぐ疑ってかかるんだから!スタートはそうだったかもしれないけど、ちゃんと話したらわかってくれるって!
ゼッタイ仲良くなれるよ!宇宙人と仲よくなれるってさ、ステキなことじゃない?」
「ステキ、って・・・これがかよ・・・」
哲也がムララ軍曹と名乗った宇宙人に鋭い視線を向け、再び木刀でつつく。
その隣では、
「ねぇ、地球征服とか侵略とか、ウソだよね?冗談だよね?」
両手を胸の前で祈るように組み、ハイテンションで語りかけてくる陽一。
しばし両者に視線を泳がせたムララは、
『あはっ、い、イヤだなぁ〜、侵略とか征服とか、じ、冗談に決まってんじゃないっすかぁ〜!ヤだなぁ、もうっ!・・・あは、あはは、は・・・』
引きつった笑みを浮かべて答えた。