『くっ、コシャクな・・・!』
再びマシンガンを構え直したユジジを見て、これはまずいと雄二が暗闇の中を動いた。
実体化ペンを取り出し、リビングの壁に
火が点った大きなランプの絵を描くと、部屋がパッと明るくなった。
「よしっ!何とかこれで見えるようになったか・・・」
「酒井!でかした!」
『ちっ、いらぬことを・・・まぁ、よい。』
舌打ちしつつ、ユジジはなおも哲也に向けダダダダタダとマシンガンを連射する。
「させるか!」
哲也は素早い動きで弾を避けたが、すぐそばにいたムララの兵隊帽を掠めた。
『ひぃっ!あっぶね〜っ!!』
『くそっ!またしても当たらないとは・・・!なんと身体能力の高いヤロウだ?!』
『ユジジ!テメェ、俺に当ててどうすんだよ?!』
『アンタもこの小隊を率いるリーダーなら、これぐらいの攻撃、自力で逃げれるでしょうが!』
「軍曹っ!!大丈夫?!」
陽一がムララに駆け寄り、抱き上げる。
その背後で、身を隠していた哲也が、何かを見つけて走り出した。
『村上哲也、捕らえたり!』
ターゲットである哲也に向かって照準を合わせたユジジ。
しかし、その弾道上には、ムララを抱えた陽一がいた。
このままではマシンガンの銃弾が3人に命中してしまう可能性がある。
危うし・・・!!
「させるか、このボケガエル2号め!!」
哲也は床に転がっていたサッカーボールへとたどり着くと、ユジジに向かって力一杯蹴り上げた。
ドゴッ!!
サッカーボールはマシンガンを構えていたユジジの顔面にクリーンヒット。
さらに、
「俺の大切な村上に当たったらどうすんだよ、このクソボケがぁ〜っ!!」『ボクの大切なムララさんに何するんだよ、このクソボケがあ〜っ!!』
ユジジの後部にいた優とユタタが、ユジジに強烈な飛び蹴りを同時に見舞った。
その衝撃で、ユジジが手にしていたマシンガンが宙を飛ぶ。
それを哲也が暴発しないように見事ナイスキャッチ。
弾を使いきるため、マグロに向かってマシンガンを発射した。
ダダダダダダダダダダッ!
ダダダダダダダダダダッ!
ダダダダダダダダダダッ!
ダダダダダッ!
ダダダダッ!
「・・・快っ、感っ・・・」
乱射後オチョボグチでそう呟く哲也の姿が、床にブッ倒れたユジジの視界に入る。
『・・・ち、地球には・・・こんなにも強いヤツが・・・いた、の・・・か・・・』
パタリ。
どうやら哲也と優&ユタタのトリプル攻撃で失神KOのようですね。
アーメン・・・。