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「それにしても驚いたな・・・安岡、それどこで見つけたの?」
「あっ、あのっ、実は、き、昨日、・・・そのっ・・・放課後、学校でね・・・」
「えっ、学校に?!」
「うん、そ、そう、学校に、いたの、コイツ、」

優は腕の中でノビた黒い生物のアタマを軽く叩(はた)いた。

「えっ、どこに?!」
「ろ、廊下にいたら、俺、いやっ、僕のアタマに、ぶつかってきやが・・・いや、ぶつかって、きて・・・」

陽一の食いつきにますますテンパる優。
コトバに詰まるたび、無意識のうちに黒い生物のアタマをパシパシ叩いている。

「陽一〜、ボケガエル連れてきたぞ〜。」
『離せよオイッ!くそっ!』

哲也がムララの首根っこを掴んでリビングに戻ってきた。
ムララは逃れようとジタバタと抵抗しているが、やはり哲也のパワーには勝てないらしく、宙に浮いた手足が前後に揺れている程度である。

「あ、軍曹。彼、知ってる?」

陽一が、優のヒザの上の黒い生物を指差した。

『は?彼って誰・・・お?・・・ユタタじゃねぇか!!』
「やっぱり軍曹の知り合いだったのか。ムララと同じハモルン星人なの?・・・って、安岡?大丈夫?」

陽一はムララと話していて優の異変に気づくのが遅れた。
優はムララを見て、大きく目を見開き、恐怖に慄いていた。

「で、出た・・・い、色違い・・・!!」

そりゃ無理もない。
自分が捕まえたのとソックリなブキミな生物がもう1匹現れたからだ。
驚きの感情がそのまま手にまで伝わってしまっているらしく、ユタタという名の生物の喉元に思いっきりチョーク・スリーパーがキマっている。

『あっ、バカ!!お前ユタタに何てことしてんだ?!早く離さないとマジ危ね・・・』

宙に浮いたままわめくムララだったが、時すでに遅し。
チョークをキメられていたユタタの目がカッと見開いたかと思うと、口から大きな光のカタマリのようなモノをゴゥッと吐き出したのだ。
そのカタマリはものすごいスピードで、

ドゴッ!!
『あぅちっ!!!』

哲也につままれたまま警鐘を鳴らしていたムララに向かって一直線!見事に命中してしまった。
♪ドンドン、当た〜り〜ぃ。


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