「ムララと同じハモルン星人かな・・・」
「・・・え、あれ?村上、知ってるの?コレ・・・」
「あ、うん。実は・・・って、ここじゃなんだから・・・安岡、ウチに上がってよ。」
「ええっ?!!・・・えっ、い、い、いいの?ほ、ほん、ホントに?」
陽一と親友になりたい(いや、正確には、変人の友達がほしい)優は、陽一に家に入るように言われ、緊張と喜びと興奮のあまり今度はどもりまくって返事する。
そのおかげか、すでにカミカミ病は収まっている。
「うん、もちろん。どうぞ?」
「あ、あ、うん、あ、ありがと・・・じ、じゃ、おこ、おコトバに、あ、あま、甘えて・・・」
優は終始ギクシャクした動きで、玄関先で靴を脱ぎ、案内されたリビングのソファに腰を下ろした。
その向かいに陽一が座る。
「とりあえずムララ呼んで事情を聞かねぇとな。・・・あれ?ウチのボケガエルはどこ行った?あンのヤロ〜・・・」
哲也がムララの姿がないことに気づき、キッチンのシンクへと向かう。
3人、いや、2人と1匹の食べた後の皿は、すでにキレイに洗われ、ちゃんと片づけられている。
「お、ちゃんと洗ってある。アイツ、やればできるじゃん。」
「あ、兄ちゃん。もしかしたら軍曹、部屋戻っちゃったのかも。」
「わかった。呼んでくるわ。」
哲也はそう言い残し、リビングを後にする。
「ね、安岡。さっきの、袋の中から出してあげてくれる?」
「え、だ、出すの・・・?」
「うん、たぶん大丈夫だと思うよ。」
「わ、わかった・・・」
恐る恐る、ユタカが袋の中から黒い生物を取り出し、ヒザの上に置いた。
陽一は、紐でくくられたままグッタリ気を失っているそれをまじまじと見つめた。
たしか昨日もムララがこんな感じになってましたね、そういえば・・・。