「悪いね。急に頼んで」
「いえ、特に問題は」

の過去を探って貰う為に、昨夜この男の元へ自分の影分身を走らせたカカシ。
額やこめかみを守る独特な武具を付けた男は、カカシの開いた窓から室内に入ると、壁際にすっと立った。

「で、どうだった?」
「先輩の推察通りでしたよ」
「そう……」
「これが原文の転写です」

窓際に立つカカシは、先ほどのと同じ場所に付いていた手を伸ばし、後輩から一本の巻物を受け取った。

過去の記録は持ち出し禁止。
特別な場合を除き、任務の守秘性から、閲覧も転写も本来厳禁である。
しかし、に関する過去は、依頼人あっての任務ではないもの。
転写を妨げる術は施されていなかった。
これは木の葉と同盟国の過去。
時代は忍界大戦の後期───






『 カミナリのお兄ちゃん 』

自分の事をそう呼んだあの子と、どうしてすぐに気が付かなかったのだろう。


それはきっとキミが

眩しいくらいに、綺麗になっていたから。








夏の雷、秋の稲妻 第九話







まだ青い夏の稲穂。
大きな緑のじゅうたんが幾つもひかれ、さわさわと音をたてて風になびく。
そこはまるで緑の海。


友を失っても、体の一部が変わろうとも、任務は待ってくれない。
体の傷は癒えた。
でも心の傷が癒える事はなく、未だに血を滲ませている。

己の師と医療忍者であるチームメイトは最前線へ。
カカシは別の隊が取り溢した敵忍を追う、討伐隊の中に居た。
森を抜け、山を越えると、そこは木の葉の駐屯する稲の国。
まだ戦乱の波に飲み込まれていない地域である。


「奴等、稲の国に入り込んだか」
「おそらくは」

部隊長がそう言い放ち、副隊長が受け答える様を、カカシは彼らの後方にある枝の上で聞いていた。

「この国の町には障壁がない。どこからでも簡単に潜り込めるな」
「そうですね。駐屯する木の葉部隊に応援を要請しましょうか」
「ああ。まずは官舎に行くぞ」
「了解!!」

木々の深い緑を背にした、水田。
膨らんだ稲穂をなでるように風が吹けば、瑞々しい香りがする。
官舎のある町は大名屋敷のある、この国では一番栄える大きな町。
それでも障壁はなく、町の周囲にぐるりと広がるのは緑色。
田んぼに畑、そして雑木林。
カカシの属する部隊は町に入ると、すぐに見えた官舎の中へと入って行った。


官舎の中の待機所。
一階に位置するその場所では、彼らの来訪を予期していたかのように冷静な男が二人出迎えた。
同じ忍服を着たその男達は、すでに不審者の侵入を察知した仲間が捕縛に向かったと話す。
カカシの居る部隊は上忍三名。
捕縛対象は上、中忍クラス四名。
この町を守る同僚達はスリーマンセルを組み、捜索をしているという。
ならば自分達は分かれて、駐屯する同僚と合流した方が賢明だと、カカシの属する部隊の隊長は判断する。
無線機を借り周波数を合わせたカカシ達は、官舎を飛び出して各々別方向へと動いた。
すぐに聞こえた部隊長の声は、これまでの経緯と自分の隊員を紹介するもの。


緑豊かな、穏やかな町。
木の葉の里よりも建物がひしめき合っていなくて、そうそう高い建物もない。
ほとんどが二階建て止りだ。

町の中心では目立った動きはないように見える。
人質を取り、立て篭もっているならば、騒ぎになるだろうから。
きっと敵忍は姿を潜めているに違いない。
何処何処の誰々さんと、お互いが知っていそうな町中へは不用意に侵入しないだろうと踏んだカカシは、町の中心から離れて行く。

緑色が広がる田んぼに夏野菜の実る畑。
所々にある雑木林の中で、一番大きな木立の中にカカシは入って行った。
忍の感と言うべきか。
地の利を得て、今までの経験が悟るもの。
無線機を通して現在地は告げてある。
すでに一組は捕えられ、あとの二組は追跡中に応戦中。


名も知らない雑草が小さな花を咲かせ、夏の日差しが風に揺れる枝葉の隙間から差し込む。
緑の作る影のお陰で、町中よりも涼しい。
僅かに掻いた汗が大気に馴染むように引いて行った。

そんな時いきなり現れた人の気配。
殺気を含ませたチャクラが急速に膨れ上がっていた。
ここは風下。
その方向は前方の風上。
カカシは近くの木を垂直に登り、枝から枝へと移りながら、先へ進んだ。

この殺気に満ちたチャクラは自分の追う者の物。
今までは故意に消していたのであろうが、今は小さなチャクラとぶつかっている。
こんなに小さなチャクラを発する者とは。
十分にチャクラを練らなくても、取るに足りない相手だという事なのだろうか。
そんな考えに及んだのは一瞬だけだった。
どうも様子がおかしい。
小さなチャクラがより小さくなって行くのだ。
淀みもなく、綺麗なチャクラではあるが、もしかしたら重症を負った仲間かもしれない。
力は隠していたのではなく、現在の最高値。

術を使ったのだろう。
その容量が激減した。
もう残りは殆ど無さそうだ。
大きな術を使ったにしては、敵のチャクラに与えているものはない。

──間に合ってくれ!!

心でそう叫び、二つのチャクラがぶつかる場所へとカカシは急いだ。





この国に来たのは、少女がもっともっと小さかった頃。
木の葉の里にずっと居たとしたら、今頃はアカデミーを卒業し、下忍として働き始めていただろう。
里の子供達、特にアカデミーに通う子供は逸早く大人になるから。
でもこの国は穏やかに、流れる時間もゆったりだ。
去年入った学校は、文字の読み方から始まった。
すでにその頃は、忍術の本を読み漁っていたけれど。

人の一生の中で子供時代は僅かで。
よく遊び、学び、それから大人になっても遅くはないと、少女の親は思う。
少女も生まれた木の葉の子供事情はあまり知らないし、この教育環境に疑いを持たない。
これが隠れ里以外の子供が送る時間の流れだからだ。
ただ忍に囲まれた生活の中で、忍術に興味を示し、目指すのは自然な事。
普通の学校に通って、友達と遊んで。
たまには寄り道をしたりして、薬草の知識なんかも深めていた。
回りの大人達には時々忍術の修行を付けてもらって。
アカデミーに入ったら首席卒業だと、稲の国に両親と同じく滞在する忍達から褒められて。

今は夏休み中であるけれど、今日は登校日。
先生とみんなで学校近くの川へ行った。
その帰り道、友達といつもの場所で別れた後、少女は町の中心から離れて行く。
寄り道をするのはいけないんだけど、青い空を眺めていたら、そんな気分になった。
行きよりも軽くなったリュックは、母の作ってくれたお弁当がお腹の中へ収まったから。

天辺から少し西に傾いた太陽はまだ衰えていない。
名が鳴き声の聞きなしに由来されるツクツクボウシ。
特徴的な声が青空に響いてる。
雑木林の手前の草むらで見つけた四つ葉のクローバーを、ノートの間に挟んで。
ヒラヒラと舞う揚羽蝶を目で追う。
すると林の奥から流れてくる風が、短い呻き声を運んで来た。
誰かが倒れているのかもしれないと、少女はリュックを背負い林の奥へ進んで行く。

気のせいだったのかなと思い始めた時、背後に人の気配を感じた。
殺気とかはよく分からないけれど、自分に好意を抱いている者ではない。
少女は咄嗟に大きく跳んで相手との距離を離し、一回転した後着地した。

二つの目に映るもの。

それはこの町の農民と同じ格好をした男。
相手の顔は知らない。
でも感じるのは忍の持つチャクラ。
ふと横を見ると、一人の男が横たわっていた。
さっきは木々の間に隠れて見えなかったけれど、大きくジャンプして立ち位置を変えたら、視界に入り込んだのだ。
この辺りを歩いていると、大体田んぼに居るおじさん。
挨拶をすると手を振って答えてくれて、寄り道してると怒られるぞって笑ってた。
その人が何処のか知らない忍装束を着て倒れてる。

「おじさん!!」

前方に注意を払いつつ、声をかけてみるけれど、反応はなかった。

「ったく、ガキかよ。まぁ只のガキでも無さそうだが、オレの相手でもねえな」

少女に舐め回すような視線を送り、男は手裏剣を投げ付ける。
それを少女はギリギリの所で避けた。
こんな小さな子供に避けられても、男は平然としていた。
当たり前だという風に。
それは本気で投げていない事を語っている。

「次はどうだ?」

ニヤリと笑う男が取り出す大量の手裏剣にクナイ。
それが弾き返す忍具を持たない少女の所へ、真っ直ぐに飛んで来る。

「土遁・土陸返し!!」

少女が両手を地面に付くと、畳を返すように大地が覆る。
出来た土の壁は、男の投げた忍具を防いで、すぐに土へと帰って行った。

「へぇ〜そんな術、持ってやがるんだ」

そう言いながら一つ、また一つと手裏剣を放って行く。
少女が避ける範囲、スピードを計算して、致命傷を与えないように。
見逃すつもりではないだろう。
それは捕えたネズミを猫が遊ぶように、楽しんでいるだけ。
息の根を止めようとすれば、すぐに出来るのだ。
最後に放たれた手裏剣は、少女の腕をかすめて後方に消えた。

「……っ」

横に伸びた腕の傷から、血が滲む。

「最後の忍者遊びは楽しかったか?いつまでも遊んでらんねぇんだよ、お嬢ちゃん」

男は取り出したクナイをペロリと舐めた。

今度は本気で来る。
もうチャクラなんて無い。
あの状況で、土陸返しが発動されただけでも奇跡に近いのだ。

土陸返しは両親の同僚に教えてもらった忍術。
少女が強請ればアカデミーに入っていない代わりに、両親とその仲間達は色々と教えてくれた。
チャクラの練り方から印の結び方まで。
変化と分身、アカデミー卒業試験程度のモノはなんとか出来るようになって、次にまぐれで出来た術。
カッコいい火遁や水遁は全く出来なかった。
それに一回の発動で、持っているチャクラの殆どを失う。
少女にはまだ扱いきれない忍術だった。

「見られたからには生かしておけねぇ。分るよな、そん位」

男が構えたクナイがキラリと光った。

「死ねェェーーー!!」

叫びながら跳んで来る。
目を逸らしちゃいけない。
もしかしたら、避けられるかもしれないから。
無傷は無理でも、死なないかもしれない。
恐怖で目を閉じたら、最後だ。
だけど、足は竦んで動かなかった。

もうだめだと。

そう思った時、チリチリと鳥の鳴くような音が聞こえ、雷を手に宿した少年が男の懐に飛び込んで来る。
宙を浮き、後方へと放物線を描く男の体。

大丈夫?と優しく声をかけてくれた少年は、少女の盾となるように、男との間に立ち塞がった。





真上から降り注ぐ太陽の光は肌を焼く。
それでも此処は建物が集中していなく緑豊かで、自分の住む里の日差しよりも更に優しくカカシには感じられた。
同じ太陽の光でも、肌を掠める風の色が違うのだ。

里と同じ太陽は今は傾き、真横から紅い光を放つ。
伸びた自分の影が長かった

駆け付けた部隊が敵を捕縛し、少女と知り合いだった男も医療忍術のお陰で命に別状はない。
少女がこの国に駐屯する部隊の第一小隊、隊長と副隊長の娘であるとその時に知った。
状況説明も終わり、捕まえた敵忍は官舎の取り調べ室で尋問中。
明日、里から護送の応援が来る事になっているから、今日はこの国の仲間の所でお世話になる予定。

報告を終えたカカシは、官舎近くの田んぼを眺めていた。
水田を囲む低い土手。
その斜面に座り、カサカサと風に揺れる稲の音を聞きながら、あの少女はどうしただろうと、頭を過る。
そんな時。

「カミナリのお兄ちゃ〜〜ん!!」

紅い色の空気に包まれるあぜ道を、少女が手を振り走ってくる。
少女はカカシの元に辿り着くと、手のひらを腿に乗せ項垂れながら息を整えた。

「さっきは、ありが、とう」

今だに息を荒げて。
そんなに慌てなくても、逃げやしないのに。

「傷は大丈夫?」

カカシは少女の腕に目をやった。

「うん。消毒してもらったから平気だよ。すぐに治るって」
「そうか。良かった」

細い二の腕に巻かれた包帯が痛々しいけれど。
子供の治癒能力は高いから、すぐに治るだろう。

「ここ座っていい?」

少女の問いかけにカカシは黙って頷いた。

「カミナリのお兄ちゃんってすごいんだね。もう上忍なんだ」
「別に階級が上がっただけで、凄くもなんともないよ」
「そうかなぁ〜。私なんて、まだアカデミーにも入ってないんだよ」

自分が少女と同じ位の頃は、もう中忍として任務に就いていたからこの子の言う事も分かるけれど。

凄くなんてないんだ。

カカシは話を切り替えるように、気になる事を聞いてみようとする。

「それからさ、オレはカミナリのじゃなくて」
「カカシお兄ちゃんでしょ?」
「そう」

なんだ知っているのかと、そんな目のカカシに少女は付け加えた。

「さっきね、聞いたんだ。はたけカカシ君。はたけ……カカシ……」

田んぼや畑、この町には何体もの案山子が居る。
彼女の視線は風に靡き、でもしっかりと立つ案山子に向けられていた。
子供の連想なんて、そんなものだと。
畑の案山子と冷やかすように軽く言われた事は、過去にもあるから。

「やっぱりカカシは守ってくれるんだね」

少女の言葉に思わずその顔を見る。

「田んぼの案山子も畑の案山子も守ってくれてるんだ。案山子はね、田んぼと畑のヒーローなんだよ」

仰ぎ見る少女の笑顔は真っ直ぐにカカシへと向けられる。

「暑くても、こわ〜〜〜い雷が鳴っても守ってるんだからすごいよね」
「雷嫌いなの?」
「うん」
「この国で嫌いじゃ結構ツライでしょ?」

稲の国は雷銀座だから。

「よく泣いてる」

少女は恥ずかしそうに笑って。

「夏の雷、秋の稲妻……」

カカシの言った言葉を不思議そうに少女は聞く。

「秋には雷の事を稲妻って言うでしょ?」
「そうなの?秋に言うの?」
「そうだよ」
「一年中かと思ってた」

季語なんてまだ知らないかと納得して、カカシは話し続ける。

「稲の花が咲いて身を付ける時期には雷がよく発生する。ま、夏から秋だよね。雷の落ちた田んぼでは稲が良く育つって言われてるんだ」
「知らなかった」
「今は肥料の質がいいから、そんなに変わりはないけどね。昔はそうだったんだよ。だから、」
「もう怖くないよ。今日から平気」

だからそんなに怖がらなくても、そう言い掛けたら先に答えが返ってきた。

「そんな急に?」
「今カカシお兄ちゃんが教えてくれたじゃない。みんなの大切なものに雷は必要だって事。それとね……」

少女の視線はカカシの手のひらへ向けられた。

「カカシお兄ちゃんの雷が綺麗だったから。あの術、なんて名前?」
「千鳥」
「千鳥……?」
「鳥が鳴くような音がするから」
「そっか。雷なんとかとか、なんとか雷とか言うのかと思った」
「雷属性ではあるけどね」
「でね、その千鳥が綺麗だったから、もう雷は怖くないよ。守ってくれてありがとう。カカシお兄ちゃんは私のヒーローだよ」

お兄ちゃんにピッタリな名前だね、カカシって。
少女は最後にそう付け加えた。

在りし日の記憶が蘇る。
父と縁側に座って、巻物を広げていたあの日。
自分の名前の由来を父に聞いた時の事を。


『 全身で守れる男になって欲しくてね 』


だから付けたのだと、父は言った。
そんな父が死んで、そんな思いも記憶の隅に。
幾つもの任務をこなし、上忍となり、ルールと仲間の命の狭間で揺れた。
大切な友を亡くした後悔は今も消えない。

もし、父の言葉を忘れていなければ。
もし、この少女と、もっと早くに出会っていたら。

友の命は今も此処にあったかも知れない。

カカシは膝を抱えて俯いた。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

突然言い出した少女の言葉にカカシは顔を上げる。
自分を見つめて言っている少女には驚いて。
父サクモの事を尊敬していた部下が、父の事をそう例えた事があったから。

「カカシお兄ちゃん、上忍なのに全然偉そうじゃないね。強いし、色々知っててすごい!!」
「………キミの方がすごいよ」

歳も上だし、勿論忍としてのスキルは自分の方が上だ。
でも、キミの方がすごい。

「そう言えば名前、聞いてなかったね」
「わたし?そうだ、言ってなかった。ごめんね。わたしの名前はね………………」







「名前は聞かなかったんですか?」

巻物を広げたカカシに向かって後輩が尋ねる。

「聞いたよ。一回だけ。そこではあだ名で呼ばれててね。名前の文字をとって、ちゃん付けで。だから記憶が薄かったのよ」
「あーカカシ先輩なら、カっちゃんとかですか?」
「そうなんだけど、もう二度とそれで呼ばないでね、テっちゃん」

話の行きがかり上、言ってみただけなのだが。
言った名前も、呼ばれた名前も、小気味悪い後輩であった。

「で、あの事件か……」

カカシは広げていた巻物を握りしめた。
そこにはの記憶にない部分、失った原因が書かれている。

「思い出に浸ってる暇はないようですよ、先輩」
「そうみたいだね」

カカシも気づいたけれど、後輩に促された視線の先には、一羽の鳥が旋回していた。

「ねぇ、テンゾウ」
「なんですか?」
「調べたって事は、全資料見てるよね」

自分との出会いから、が此処に至るまでの全てを。

「見なくちゃ調べられませんよ」
「オレが任務で留守の間、様子見ててくれる?」
「彼女を?」
「そう。ちょっと怖がりなお姫様だからね、天候が悪い日だけでいいから。それから、影からね。なるべくパックンをの元へ行かせるけど」
「分かりました」

納得した。
これが一番の目的だと。
調べようと思えばカカシでも調べられる事。
というより、後輩である自分に調べられて、カカシに出来ない事は無いだろう。
態々人に頼んだのは、状況説明の手間を省く為もあるかも知れない。

「さてと、火影様の所に行かなくちゃねぇ」
「じゃあ僕はこれで」
「ありがとね、テンゾウ。あと、よろしく」

テンゾウは頷くと同時に姿を消した。



やはり、稲の国で出会った少女はだったのだ。

彼女との思い出は大切な記憶。
忘れたわけじゃない。
父の言葉を蘇らせて、自分に気づかせてくれた女の子。
大切に仕舞っておいて、その後仮面を被り闇と血の生活を繰り返し、手繰り寄せる術を無意識に封印していたのかもしれない。



『 わたし?そうだ、言ってなかった。ごめんね。わたしの名前はね、 』


───ねぇ、
   綺麗だって褒めてくれた千鳥はね、今は雷切って言うんだよ



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2008/04/19 かえで


BGM 春待ち桜