ENDLESS STORY
プロローグ2
此処に来てから何日か過ぎた。
ダンの話によると、此処は生まれ変わる場所。
転生というやつだ。
よく前世がどうのとかって聞くけど、こういう事か・・・。
生まれ変わったら、今の記憶は無くなるらしい。
普通に赤ん坊として生まれる。
稀に断片的だが、思い出す人もいるみたいだけど。
「転生先って言われてもねぇ・・・。」
はぁ・・・。
深い溜息を付きながら、の手にはNARUTO。
何故か此処ではNARUTOの続きが読める。
NARUTOの続きが気になっちゃって、まだ此処に居たいよ・・・。
前よりかなりペースが速いな。
時間の感覚が違うのかな?
はNARUTOをパラパラと捲りながら、ベットに横になっていると、
扉を軽くノックする音と、ダンの声。
慌ててベットから飛び降り、ドアを開けた。
「こんにちは。お加減どうですか?」
「まあ・・・ぼちぼち・・・」
ダンは毎日の所にやって来て、色々説明してくれた。
この世界の事、これからの事。
「今日は貴女をお連れする様に言われていますので、ご一緒して頂けますか?」
「はい。・・・誰ですか?」
「此処で一番偉い方ですよ。」
「偉い人?神様とか?」
は冗談ぽっく言ってみる。
「そんな所です。」
ダンはにっこり笑っての手を取ると、二人の姿は一瞬にして消えた。
「着きましたよ。」
「あれ?あれれ?」
何時の間にか二人は、重厚な扉の前に立っていた。
「おー!テレポーテーションってやつか!すごーい!」
は手を叩きながら喜ぶ。
忍びの世界なら瞬身かなぁ・・・フフ
ーーーコンコン
ダンが扉を叩く。
「ダンです。さんをお連れしました。」
「入れ。」
年配の男性の声が中から聞こえると、ダンは扉を開けた。
部屋の真ん中に座っている男性を見て、思わず息を呑んだ。
「か・・・ご苦労じゃった・・ん?どうしたのじゃ?」
「あ・・・の・・・その・・・火影様?
あ!すいません。私の大好きな所に、火影様というそっくりな方がいるんですよ。」
火影にそっくりな男性は、驚きもせず淡々と答える。
「火影とやらに、そんなに似ておるか?」
「はい。私の事、変に思わないんですか?」
「いや、前にもお主と同じ事を言った奴が居るからの・・・ハハハ。」
笑いながらダンを見ると、
「そうでしたね。」
ダンもまた笑みを浮かべた。
「じゃあ、火影様ー。」
今はその名じゃないんだが・・・まあよいか・・。
「その後ろに居るのは?」
「おお・・そうじゃった。こいつが世話になったのぅ。」
火影の後ろには、一匹の子猿。
「じゃあ、その子も死んじゃったの?」
「いや、こいつはワシの使いでな。今回初めて使いに出したんじゃが、ビビリおっての。
其処をお主に助けられたという訳じゃ。」
「そうだったんですか。」
でもこっちの世界の住人なら、死ななかったんじゃないのかな?
私のした事って無駄だったのかな?
火影はの思っている事が、分かったのだろう。
「お主に助けてもらわなかったら、こいつは消滅する所じゃった。
やっとの思いで再生したのにの。」
と付け加えた。
三代目火影に似た、この世界の長。
その肩に乗っている一匹の子猿。
なんだか猿魔がちっちゃくなって、くっ付いてるみたい。
かわいい。
子猿に向かって微笑みかけると、ポンと火影の肩から降り、
に駆け寄ってきた。
まるでありがとう・・・とでも言ってるみたい。
「ところで行き先はそろそろ決まったか?」
「いえ・・・その・・・好きな本の続きが気になりまして・・・。」
「・・・NARUTOという世界じゃろ?」
「ご存知なんですか?」
ん?世界?
は火影の表現を不思議に思った。
「まあ、転生先の一つに新しく加えてあるからの。
まだお主の世界から、希望する者はいないが。」
「えー!そうだったんですか・・・。」
火影は怪訝そうな顔でダンを見た。
「お渡しした資料の中に入っていたはずですが、配慮が足りず申し訳ありません。」
「そうだったんだ・・・ちゃんと見たんだけどな。どこら辺?」
「その他の欄です。」
「ごめんなさい・・・。そこ読んでません。」
は済まなそうに、身を縮めた。
「では、NARUTOの世界へ!」
背筋を伸ばし、凛とした目で言う。
「そうか。」
「あっ!我侭言っていいですか?」
「お主の頼みじゃ、出来ることならな。」
「その世界に、はたけカカシという人が居ます。
その人の生まれる三年後に生まれ変わりたいんです。
木の葉の忍びとして。」
「中々厳しい世界じゃぞ。」
「はい。わかってます。」
「そうか、分かった。では行って来い。」
火影が言うと、の体が段々と薄れて行く。
これでカカシの元へ行けるんだ。
今の記憶がなくても、私は貴方に会ったらきっと惹かれるだろう・・・。
の体が完全に消える間際、
「今度は早々に来るでないぞ・・・。来たら追い返してやるからな。」
神と呼ばれる火影の言葉は、に届いたのであろうか?
其処にの姿はすでになかった。
「行かれましたね。でも神様、いや三代目火影様が此方に来られて、任を受けてから
早々に木の葉に行きたいと願う者が現れるとは。」
「そうじゃな。里に、今のわしが知らぬ、新たな木の葉が舞い落ちるじゃろ。」
火影は楽しそうに笑った。
転生先 木の葉隠れの里
職業 忍者
プロローグ長くてすいません;
しかもカカシ出てこないし・・・。
次からはちゃんと出てきますので。
かえで