※多少グロテスクな表現があります。
「…、愛してる。お前は俺だけのものだ」
イールフォルトの声が聞こえる。とても心地良い。
彼の見せる独占欲も、自分を抱く力強い腕も、何もかもが愛しくて、そのどれもがの全てだった。
(イールフォルト様…私は、嫌な夢を見ていたようです。貴方がいないなんて、そんなの嘘に決まっていますよね…?)
「いつまで寝てる気だい?そろそろ起きてくれないと、いい加減僕も退屈なんだよ」
突如響いた声は脳髄を震わせ、一気にを覚醒させた。
「な………」
目を開いた途端、は絶句した。
全裸にされたは、簡素な寝台に仰向けに寝かされ、両腕を頭の上で固定されていた。
そして、そんなの剥き出しの雄を、ザエルアポロが片手で弄んでいた。
「君は本当にいやらしい子だね。ちょっと奴の声色で囁いてやっただけで、ここをこんなにおっ勃てて…。全く、呆れるよ」
「呆れる」という割に妙に楽しげなザエルアポロの言葉に、じわりと絶望感が広がる。
(声色………?じゃあ…、先程の声は………)
「おや…、失礼しちゃうね。僕だとわかった途端に萎えさせるなんて」
急速に硬度を失ったの雄に気分を害したのか、ザエルアポロはふん、と鼻を鳴らして手を離した。
そして少しの間に背を向けたザエルアポロは、奇妙な液体を手にして振り返った。
「生意気な君には、いい物をあげよう」
「な…何ですか…それは」
ぐずぐずとした緑色の液体を目の前にかざされ、冷や汗が伝う。
「発情期の霊蟲の性器を引っこ抜いて潰した物だよ。…効能は、言わなくても想像がつくだろう?」
ゾクリと全身が寒気立つ。
「さあ、いやらしい君にはピッタリの飲み物だよ」
液体の入ったビンを近付けられ、ギュッと固く口を結んだ。吐き気がするような匂いに涙が滲む。
の小さな抵抗にククッと笑ったザエルアポロは、片手での鼻を摘み、酸素を求めて開いた口に、一気に液体を流し込んだ。
「ゲホッ…!」
ドロッとした生臭い液体が喉奥に流れ込む。
「ほら、水だよ」
ザエルアポロに水差しを傾けられ、両腕を固定された無理な体勢で貪るように水を飲んだ。
本来なら、水を飲む前に液体を吐き出さなければならないのは頭ではわかっていたが、余りの気持ち悪さに、差し出された水を拒否する事ができなかった。
満足そうなザエルアポロの表情を見る限り、それもまた彼の計算の内だったのだろう。
「…さあ、楽しい時間の始まりだよ。君の嬌態は散々見てきたが、直接見るのは初めてだからね。…ふふふ、楽しみだよ」
|