俺が玄関の鍵をあけ、扉を開けて奏(カナデ)を促すと
『サンキュ、響(ヒビキ)』と微笑みながら家に入っていく。
俺もそれに続いて中に入り、鍵をしめて靴を脱いだ。
お袋は今日の朝から親父の所に泊まりに行ったので、
明日の夜遅くに帰ってくる。
明後日からはまた部活も始まるし、明日1日はのんびり
奏と家で過ごそうと思っていた。
廊下の電気を点け、そのまま2階に上がろうとする奏の背中を、
階段の手前で抱き締める。
奏が驚いて手に持っていた鞄を落とし、『ちょ、ちょっと
どうしたの?』と聞くので、そのまま耳に舌を這わせながら
「……ヨドカワに言われた通り、感謝の気持ちを表そうと思って」
と囁くと、奏が頬を赤く染めた。
「と、取り合えず部屋に戻ろうよ」
俺は耳に舌を這わせたまま、奏の学ランのボタンを一つずつ
外していく。
奏は焦って俺の手を止めようとするが、当然俺に敵う筈がない。
「……や……っ」
ボタンを外した学ランの間から手を滑りいれ、シャツの上から
胸の突起を軽く爪で引っ掻くと、奏は声を漏らして体を震わせた。
****************
「……んん……響……こんな場所……やだ……」
「……奏、手すりに掴まって片足を階段に乗せて……」
既に脱がせた奏の下は床に乱雑に散らばっている。
後から抱き締めながら奏の前に手を伸ばし、口ではイヤだと
言いつつもしっかりと反応している奏のモノを握り込んで
激しく上下に扱いた。
「……あぁっ……!」
俺に言われた通り、手すりに掴まって少し前屈みになりながら
背中を仰け反らせている奏は、本当にドキドキするほど色っぽい。
一度奏のモノから手を離してそのまま屈むと、両手で双丘を開いて
いつも俺を受け入れてくれる場所に舌を這わす。
ビクビク体を震わせながらも、手すりにしがみついて必死で声を
我慢しているこの兄が愛しくて堪らなかった。
丹念に舌で解し、3本の指も呑み込めるようになったと同時に
立ち上がり、俺も自分の下を脱ぎ捨てる。
そして奏の体をもう少し前に屈ませ、奏の腰を両手でしっかり
掴んでから、自分のモノを奏の中に埋めていった。
「はぁ……はぁっ……」
ゆっくりと口で息をしながら力を抜き、必死で俺を受け止める奏。
最後まで埋め終わり、『大丈夫か?』と声をかけると小さく頷く。
それを見てゆっくりと腰を動かし始めた。
奏と繋がる時、いつも囚われる思いがある。
それは奏と一つに『なった』のではなく、奏と一つに『戻った』
という不思議な思い。
前にそれを話した時、奏は驚きながら『俺もだよ』と言っていた。
これはきっと双子である俺達にしかない感覚だと思う。
だから俺はこの兄を手放す事が出来ない。
正真正銘の半身であるこの兄が、愛しくて堪らない。
角度を変えて突き上げると、『響……響……っ!』と俺の名を
必死に呼びながら仰け反り、奏がそろそろ限界に近い事を知る。
俺も限界ギリギリまで激しく動き、そのまま両腕で背中を抱き
締めて手すりから手を離させ、耳を軽く噛みながら奏のモノを
扱いた。
「……あぁぁぁっっ!」
声をあげると同時に奏は達し、それと共に俺自身を何度も
何度も締め付けてくる。
俺もその感覚に耐えられずに、そのまま奏の中で果てた。
****************
「響のバカっ!
だからこんな場所イヤだって言ったのにっ!
どうするんだよ〜、これっ?!」
赤くなりながら奏がティッシュで拭いているのは階段の壁。
「これって……奏がイった証拠……イテッ」
更に真っ赤になって立ち上がった奏に頭を叩かれる。
「そんな事言ってるんじゃないっ!
こんなとこに染みを付けたなんて母さんに知られたら
どうなると思ってるのっ?!」
「あ〜……」
ポリポリと頭を掻きながら、薄っすらとついている染みを
眺める。
綺麗好きのお袋が、こんなのを見逃すはずがない。
それを思うと確かに気が滅入った。
うちのお袋はなんせ変わっていて、俺達の事を理解して
くれるのはありがたいんだが、その分ちょっと……
「こんなのがバレたら、絶対
『今回はどんなシチュエーションだったの〜?』
とか興味深々で聞かれるに決まってるのに!
俺は知らないからねっ!
責任とって、響が母さんの相手をしてよっ!」
荷物を持って階段を上っていく奏の背中を見上げながら、
明日は一日壁の染み抜き方法を考えようと溜息を吐いた。