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部屋に入った僕達は着ている物を全部脱ぎ、僕は今ベッドの端に腰掛けている司の膝に向かい合わせで跨っていた。
司と初めて結ばれた以降、必ず用意するようにしていたローションもベッドの上に置いておいたし、これで準備は全てOK。


一度深呼吸してから司の首に腕をまわし、最初は唇が触れ合うだけのキスから、そして少しずつ深いキスに進み、何度も何度も数え切れない位のキスを交わしていく。
徐々に徐々に耐えられない位の欲望が競り上がって来て、痺れたように半分真っ白になった頭で次にどう動こうかと迷いながら、気持ちだけが焦って脚の震えが更に増した。

すると司が左手を腰にまわしまま右手でゆっくりと脚を撫でてくれて、そのおかげで震えが少しずつ治まっていく。
そして唇を離しながら、宥めるようにポンポンと優しく背中を叩いてくれた。
いつでも優しく触れてくれるその大きな手が、やっぱり僕の緊張や不安を全部取り除いてくれる。


「司の手、あったかい……」

僕が落ち着いて行く様子を黙って見ている透明な瞳を見つめ返しながら、少しだけ照れ笑いをした。
司は驚いたようだったけど、でもすぐに小さく笑ってくれる。

こんなに司に大切にしてもらっている僕は、きっと世界一の幸せ者だ……

「……いつも甘えてばかりでごめんね。
 でも、好き……
 司が誰よりも好き……」

そのまま唇を押し付けるようにキスをした。
何かをしなくちゃとか次はこうしなくちゃとか、無理な背伸びをするんじゃなくて、僕は僕らしくしていればいい。
透明な瞳が、そう言ってくれている気がした。


唇を合わせたまま首にまわしていた腕を解いて、司の髪や頬や首や肩や、色んなところを撫でて行く。
さっきまでは次にどう動こうかとそればかりで頭がパンクしそうになっていたけれど、今はただ司に触れたかった。
いっぱい司に触れて、いっぱい司の存在を感じて、いっぱい司を愛したかった。


唇の間から入ってきた舌が、ゆっくりと探るように口腔を這い回る。
それと同時に両腕で腰を引き寄せられて、お互いの昂ったモノが触れ合った。
どうしたらいいのか考える前に勝手に体が動き、司の肩に両手を置いて腰を擦り付け、僕のが反応するのと一緒に司のモノも反応するのが嬉しくて夢中で動く。
その間にローションを塗った司の指が、1本2本と後ろに入り込んで来た。

「…ぁっ…!ん……っ」

僕と同じ様に荒くなっていく司の息遣いを感じる度に心拍が跳ね上がっていき、キスをしている余裕も何かを考える余裕も全然無くなってしまった。
背中を仰け反らせ、司の動きに合わせて勝手に声が漏れ、後ろに引っ繰り返らないよう首に手を回しているだけで精一杯。


突然抜かれた指にヒュッと息を吸うと、そのまま両手で腰を浮かされ、火傷しそうなほど熱い塊が後ろに押し当てられた。

「……ゆっくり息を吐け」

声と同時にローションで滑りの良くなった司自身が僕の中に入り込んでくる。
言われた通りゆっくりと息を吐き、大きな手に促されるまま少しずつ体重を落とすようにしてそれを呑み込んでいく。
久々の圧迫感で途中ビクッと腰が逃げそうになる度に司は動きを止め、僕が大丈夫だとわかるとまた腰を落とさせて、ようやく全てを受け入れた。

ホッと息を吐きながら司の肩に顔を埋めてギュウゥと抱き付くと、僕が落ち着くまで司もしっかりと抱き締め返してくれていた。


結局は早とちりの勘違いだったけど、でも一度はこの場所を無くしたかもしれないと思った。
この場所を失う事が怖くて辛くて悲しかった。

……もう絶対に司の気持ちを見失わない……


ようやく体が慣れたところで抱き付いていた腕を解き、そっと触れるだけのキスを自分からした。

「どうやって、動けばいい…の……?」

顔が真っ赤になっているのはわかっていたけれど、もう恥ずかしいも何も言ってる余裕なんてなくて、自分の中の誰かが、早く早く、と言っている気がした。
すると司が僕のモノをそっと握って上下に扱き始める。

「ぁっ…んぅ……っ」

ビクンと体が跳ね、後ろが勝手にキュッと司自身を締め付けながら自然と腰が動いた。

「……忍がしたいようにすればいい。
 忍のペースで、ゆっくりでいいから……」

どうすればいいのかはわからなかったけど、その言葉にうん、と頷き返し、さっき腰を擦り付けた時のように動いてみる。

「ゃ…っ……ぁっ!」

それに合わせて司が微妙に腰を動かすので、その度に僕の中の弱い部分が当たり、固く目を瞑って上を向きながら声を漏らした。


何が何だかわからないままただひたすら夢中で動き、汗と共に快感は後から後から湧き上がっては来るけれど、最後に達するためには自分ではどうしても無理だと気が付いた。

「ツ…カサ…ツカサぁ……っ」

目を開けて透明な瞳を見詰めると、何故だかポロポロと涙が零れた。
司は頷きながら小さく笑い、それを唇で掬い取ってから額にキスをしてくれる。
そして肩に置いていた僕の手を首にまわさせると、両腕で強く腰を引き寄せながら唇を合わせて来た。
入り込んで来る舌に自分の舌も絡め、荒い息のまま必死でキスを返しているうちに徐々に司が動き出す。

「…ん、んっ……!」

単調だった僕とは違い、少しずつ加速していく深く激しい動き。
途端に体の奥が熱くなり、お互いのお腹に挟まれて擦られている僕のモノは限界まで勃ち上がって透明な液を零し始め、後ろは無意識に司を締め付けている。
繋がっている部分がドキンドキンと脈打っていて、まるでそこに心臓があるみたいだった。

「ん…も…だめっ…!ツカサ…っ」

唇を離して言葉を漏らすのと同時にゾクゾクと高まっていた快感がはじけ、司も息が止まりそうなほど強く僕を抱き締めながら果てていった。


お互いに息が静まったのを見計らって、司がそっと体を離しながら自分のモノを抜こうとする。
だけど僕は首を横に振り、司の首に顔を埋めながら、背中にまわしていた腕に更に力を込めてしがみ付いた。

まだ離れたくない……

すると司は何も言わずに僕の頭に自分の頭をのせ、キュッと優しく抱き締めてくれる。
蕩けてしまいそうなほど幸せなのに、胸が潰れそうなほど切ないような、そんな不思議な気持ちになってポロリと一粒涙が零れた。


包容力があって優しく大人な司に、周りを見回す余裕もなく、ただ精一杯走り続けるだけの子供な僕。
生きて来た年数は同じなのに、なんでこんなに違うんだろう。

……でも、つりあわない事なんて最初からわかっていた。
それでもお互い男同士という壁を乗り越えて、僕は司を求め、司も僕を求めてくれた。
だから、これからも無理な背伸びをしないで僕のままでいよう。
一つ一つの時をこれからも大事に積み重ねて、その中で司に色々教えてもらいながら、少しずつ大人になっていこう……


いつでも僕を守ってくれる、安心感と温もりに満ちた大きな腕の中、トクントクンと安定した司の鼓動に呼吸を合わせながら、僕はいつの間にか深い眠りに落ちていった。