軽く触れるキスをしただけなのに、俺の体が欲望で燃え上がる。
童貞ではないし、何度も女の子を抱いた事だってあるのに、
こんなに興奮したのは初めてだった。

「……先生、抱いていい?
 俺のモノになってくれる?
 絶対怖がらせないし、絶対大事にするから。」

肩をそっと撫でながら言うと、

「……俺はお前にいっぱい嫌な事をして来たし、散々
 変な事に巻き込んで怪我もさせた。
 その上お前よりもずっと年上で、この身体はこれ以上
 無いっていう位汚れている。
 ……それなのに本当に俺でいいのか?」

と不安そうに聞く。
俺は安心させるようにもう一度キスをすると

「先生じゃなきゃダメなんだって。
 先生じゃなきゃこんなにならない。」

と言って左手を優しく掴み、ジーンズの上から俺の反応している
モノに触れさせた。
ヨドカワが息を飲むのがわかる。
俺はその様子を見て掴んでいた手を引っ張りながら
立ち上がらせると、そのまま手を繋いで2階の俺の部屋に
連れて行った。


夜の9時。
母親は仕事で朝方まで帰ってこない。
電気を消してある部屋の中は真っ暗で、外からは
少し小降りになったらしい雨の音がシトシトと聞こえていた。

ヨドカワは扉の所に立ち尽くしている。
俺はスタンドを点け、ベットの脇に腕を少し広げて立った。
怖がらせない為に、俺から近付くのではなく、ヨドカワから
近付いて欲しかった。

少しの間迷っていたようだが、やがて一歩ずつ近付き、ようやく
目の前にヨドカワが来る。
そして先程よりも赤くなった顔でもう一度俺を見上げ、
ホントにいいのか?と確認してきた。
俺はその顔を見て思わず湧いてきた唾をゴクッと一度
飲み込んだ後、うん、と頷く。

ヨドカワは恐る恐る俺に抱きついた。
それを確認してから、俺はヨドカワを怖がらせないよう、
ゆっくりとその背中に手を回す。
するとヨドカワも更に力を込めて俺を抱き締めてきた。

この前ヨコオから助けた時にも一度肩を抱いた事はあったが、
今みたいに抱き合うのは初めてだ。
男だし、身長が5cm位しか変わらない事もあってもう少し
ゴツイのかと思っていたのに、思っていたよりもずっと細くて
体が薄かった。
確かに胸はないから柔らかい物が当たる事は無いが、
すごく抱き心地がいい。

なにかと言っちゃ憎まれ口をきくコイツが、正直疎ましいと
思っていた事もあったのに、今こうやっているだけで、その
見た目に似合わない口の悪さでさえも愛しさに変わって
いくのを感じる。

髪からはシャンプーのいい匂いがする。
思わずもう一度抱き締めなおして、俺の肩に顔を埋めている
コイツの髪に頬を擦り付けた。
ヨドカワは俺のその行動にピクッとしたが、それ以上は動かず
ジッとしている。
俺に全てを委ねているのだとわかるその様子に、これからは
何があっても俺がコイツを守っていこうと思った。
一々その言動にムカついていた、6歳も年上の男で、
それも自分の担任を。

もう俺以外誰にもコイツに触れさせない。
もう二度とあんな辛い思いをさせない。
俺はその決意を込めて、柔らかい髪の毛に何度も何度も
キスをした。




※次は18禁※苦手な方はご注意を