| 俺はどちらかと言えば体温が低いほうなんだと思う。 直接肌が触れ合うたびヒロの熱さに驚き、そして自分の冷たさに驚く。 だけどこうやってヒロに包まれていくうちに、次第にヒロと同じぐらいの熱さになる。 そしてヒロの熱を吸い取って受け入れて、体中、指先までも、最後には熱を放出するほどに熱くなる。 だけどそれだけ俺が熱を吸い取っても、ヒロの体は熱いまま。 最後はいつもその事にホッとした。 
 
オレンジ色のライトがぼんやりと室内を照らし出す中、一糸纏わぬ姿でベッドの上に横たわりながら大きく脚を広げられ、その間にいるヒロに自分のモノを咥えられている。 「そろそろ前だけじゃ…足りないか……?」 
事実とはいえ言葉に出されるとあまりにも恥ずかしくて、唇を噛みながら両腕で顔を覆っていると、ヒロが脇に置いてあったジェルを俺の後ろに塗り込め始める。 
逃げ腰になる俺を押し留めるかのようにゆっくりと一本の指が差し入れられ、それと同時に硬く勃ち上がりきっているモノに舌を這わせられて、内股の筋肉が勝手にビクリと反応する。 「……いいからこのままイけって」 「や……ぁ…っ」 
モノを咥えたままのヒロにそう言葉をかけられて曲げた指を激しく動かされると、勝手に背中が仰け反ってしまって、あっけなく陥落してしまいそうになる。 
焦ったように右手を伸ばして、今にも弾けてしまいそうに膨れ上がっている自分のモノの根元を痛いほど力を込めて握った。 「い、一緒が…いい……ヒロと…一緒に……」 
今日はどうしてもどうしても一緒が良かった。 するとヒロが後から指を抜き、その感触にビクッと反応する俺に覆い被さりながらギュッと抱き締めて小さく溜息を吐いた。 
「お前なぁ〜…… 
苦笑しながらボソボソと呟く声は途切れ途切れにしか聞こえなかったので、ヒロが何を言っているのかはあまりわからなかった。 
イってしまわないよう右手で自分のモノの根元をしっかり握ったまま、ゆっくりと息をしながらヒロの動きに合わせて力を抜く。 「ちょ、痕、明後日水族館……」 どう考えても隠し通せる場所じゃない耳の下とかも吸い上げられ、慌ててヒロに声をかける。 
「いいからいいから。 
……確かに。 
「まぁ今は佐倉達はどうでもいい。 
言うと同時に上半身を起こしたヒロが、ゆっくりと腰を引いてから腰を推し進めてくる。 「……ん……」 
俺は入れられる感覚よりも抜かれる感覚の方が弱い。 「ぁ……」 
少しずつ少しずつ、どんどん早くなっていく律動。 「……ゃっ……!」 
首を横に振りながら懸命に手を離そうとするのに、ヒロは手を離してくれず、そのまま俺の手毎上下に扱き出した。 「ぁ、……ヒ…ロっ」 
時々意識が飛びそうになってしまうのが怖くて、無意識に左手をヒロに向かって伸ばす。 「……っん……、は…あっ……」 
体同士がぶつかる音と繋がっている場所から聞こえる水音、そして時々漏れる俺の喘ぎ声とヒロの荒い息遣いが部屋の中をいっぱいに満たす。 「ぁ…あ……ヒ…ロ……ヒロっ……!!」 「……仁志……っ…」 
余裕を失ったヒロの声にダメ押しをされるように、どうにもならないほどの快感が一気に競りあがってくる。 
 
ようやく痙攣が治まったところでしっとりと汗ばんだヒロの背中をそっと抱き締め返し、ヒロの体が熱い事にホッとする。 
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