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The Star Festival

『rising dragon』の相模良哉と折原遼の場合
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舎弟君とはマンションの入り口で別れて二人で部屋に戻った後
早速笹を居間の窓際に飾る。
リョウはシャワーを浴びに行った。
その間に私は病院から持ってきた短冊に自分の願い事を書き
それを笹に結びつけた。
そして蒸し暑い家のエアコンを入れ、温度を27℃に設定する。
リョウはもっと温度を下げたがるのだけど、冷房病などになられたら
困るので、温度設定は必ず私がするようにしていた。


私はお昼をまだ食べていないし、きっとリョウもまだだろうと思ったので
冷蔵庫の材料を見て軽く食べられる物を作る事にした。
手早く作れる物を、と思い、牛しゃぶのサラダとたこのカルパッチョ
それに舞茸と厚揚げを醤油味でさっと煮た物を作る。
丁度作り終わった頃にリョウが居間に入ってきたので、食卓ではなく
居間のテーブルにおかずを置き、入れ違いに私もシャワーを浴びに行った。


シャワーから上がると、リョウは下着を穿いただけの姿で私の方に
背を向けて座っていた。
深いグリーンの和風ラグマットの上に胡坐をかき、私が作ったおかずを
つまみながら缶ビールを飲んでいる。
居間の入り口にいた私は、惜しげもなく私の方に晒されている
その背中に、思わず息を飲む。


一瞬、その滑らかな肌に彫り込まれた昇り龍と目が合った気がした。

リョウが病院に運ばれた、あの日あの時間に私が救急病棟にいなければ、
リョウとこうやって過ごす事はなかったかもしれない。
そしてこれが私のモノになる事も……

……私の龍……

思わず抑え難い欲求に突き動かされるように、私はリョウに近付いて
床に膝をつくと、そっとその背中に口付けた。
リョウはグイッとビールの残りを一気に飲んだものの、私が触れる事を
咎めたりはしない。
思うままに舌で昇り龍をなぞり、震える息を吐きながらリョウの隣に座る。

するとリョウは黙って立ち上がって、冷蔵庫から缶ビールを2本出してきた。
まだ午後の2時過ぎだけど、と思いながらも、たまにはこんなのもいいか、と
クスッと笑うと、リョウが私の肩を強い力で抱き寄せた。

「今日はわざわざ迎えに来てくれたんですね。
 驚きましたけど、その分早くリョウの顔を見られて
 とても嬉しかったですよ。」

リョウの鎖骨に顔を埋めたままそう言うと、一瞬私の髪にキスをした後、
テーブルに片手を伸ばしてプシュッと缶ビールを開け、そのまま
ゴクゴクと飲む。
そして今度は一口含んだ後、私の顔を上げさせて、口移しで
ビールを流し込んできた。

「……ん……」

突然の事で少し驚いたけど、ビールの冷たさと、ビールと一緒に口の中に
忍び込んでくる生温かい舌の感触に、思わず震えが走る。
そしてリョウは唇を離し、再度ビールを口に含んで私に移す。
口端から零れたビールや唾液を舐め取り合いながら、そんな行為を
何度も何度も繰り返し、あっという間に500mlの缶が空になる。
その頃には、お互いにお互いの欲望が抑えられなくなっている事に
気がついていた。