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My place to stay(俺の場所)
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抱き付いていた腕を緩めてソウの頬にキスをした。
いい歳をして 『ほっぺにチュー』 は結構恥ずかしいものが
あったが、すれ違い続けて辛い思いをしていた昔の俺達に
キスを送ってやりたいと思った。
『幼い頃の俺達に。』と小さい声で告げる俺の思いに
気が付いたのか、ソウも俺の頬にキスを返す。


次に唇が触れるだけの短いキス。
『学生時代・社会人になってからあの事件が起きるまでの
 俺達に。』
その間俺はソウへの思いに気が付き、その思いを隠そうと
必死になっていた。ソウは教授とお互いに身代わりの関係を
つとめながら、俺に追いつこうと懸命になっていた。
ソウが同じ様にキスを返してくる。


その後、唇が触れるだけの長いキスをする。
『……辛かった、苦しかった、10年間の俺達に……』
唇を離すと、俺の目をジッと見詰めるソウの瞳が潤み始めた。
そして俺がしたのと同じ様に触れるだけの、長い長いキスを
返してくる。
目を閉じていても次から次へと涙が溢れ出した。
……あの頃の俺達に伝えてやりたい。
10年もの苦しみ続ける日々は、決して無駄ではないのだと……


ソウが唇を離した後、俺はソウの後ろ頭を両手で引き寄せる。
薄く開いている唇に自分の舌を差し入れ、ゆっくりと舌先で
歯列をなぞりながら、その奥に潜んでいるソウの舌に触れた。
そしてソウが反応を返してくる直前に体を引き、
『これからの俺達に。』と言って、涙を流しながら笑って見せる。
ソウも俺に笑い返しながら一筋の涙を零し、強い力で
俺を抱き寄せながら激しいキスを返して来た。


俺がやったように歯列をなぞり、そして俺がやったようには
体を引かず、そのまま舌を絡めてくる。
俺もそれに応えながらソウの髪に指を絡ませて自分の体を
押し付けた。
相変わらず熱いソウの手がTシャツの裾から潜り込んできて
俺の体を弄り、その感触にゾクリと鳥肌を立てながらソウの
舌を貪る。

「……ん……っ」

10年もかけてソウに慣らされてきた体は、ソウの動き一つ一つに
敏感すぎるほどに反応し、そして思いが通じ合って喘ぎ声を我慢
しなくて良くなった俺の口からは、次々と甘い声が漏れ続ける。
ソウも俺が感じる場所を嫌というほど把握しており、脇腹から
背中にかけてゆっくりと撫で上げていく。

「ぁ……!」

熱い手の感触にビクッとして、思わず唇を離して仰け反ると、
俺の耳を舐めながらソウが囁く。

「……コウイチ……ベッドへ行こう……」
「ん……ソウ……」

その声にでさえ反応してしまう俺の体。
ゆっくり頷くとソウは優しく俺の額にキスをし、俺の肩を
抱き寄せながらベッドルームへ向かった。



※次は18禁※苦手な方はご注意を