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首9

恋に落ちるのに理由など必要ない。
気付いたらそうであったと、その事実だけ。
私が恋に落ちたのは、相模良哉がこの世に存在していたという、その奇跡的な事実があったから。

私にとって恋とは何かと問われれば、それは私が生きていく理由そのものだと答えるだろう。
相模良哉との恋こそが、私の存在する理由だと……


ラグマットを敷いてある床に膝をつき、ピチャピチャと卑猥な音を立てながらリョウの雄に舌を絡ませる。
手で軽く握りながら裏筋に沿って舐め上げ、時々ピクリと示す反応に内心打ち震えながらうごめかせた舌先をくびれの部分に這わせた。
この熱い楔をこれから自分の奥深くに受け入れると思うだけで、止まらない期待に胸が高鳴っていく。

私と同様に情欲に燃える瞳で私を見下ろしているリョウは、Yシャツやネクタイはおろか、スーツの上着さえも脱いではいない。
ただズボンの前だけをくつろがせ、一挙手一投足も見逃すまいと鋭い目を光らせながら時々私の髪をかき上げている。
その刺し貫くような目を上目遣いに見上げながら、悪戯っぽく微笑んで硬く張り詰めている逞しい雄を口に銜えた。


「ん………ん…」

銜えているのは私なのに、それでも堪らず声が漏れていく。
私自身もズボンの前が窮屈なほどに熱く勃ち上がっていた。
けれど自分ではそれに触れず、その分リョウと視線を絡ませたまま染み出してくるほろ苦い味を飲み下し、喉の奥まで銜え込んでいく。

……早くこれが欲しい……

時々舌舐めずりをしながら何度も顔を上下させ、唾液が零れ落ちるほど舌と唇で愛撫を繰り返していると、私の髪をかき上げていた筈のリョウの手がいきなり首輪を掴んで上に引っ張りあげた。

「ぁっ……!」

一瞬体が浮き上がるような不安定な姿勢になり、歯を立てないよう慌てて口を離す。
するとすぐにもう片方の手が私の腕を掴んで力強く引き上げ、足が床を踏み締めるか踏み締めないかの内に噛み付くようなキスが降って来た。


****************


「……ん……は…ぁ……」

ラグマットに頭を擦りつけ、腰だけ高く上げさせられる格好で奥深くまで激しく突き上げられていく。
全てを喰らい尽くされるようなキスを受けながら穿いていたズボンを剥ぎ取るように脱がされ、慣らすのもそこそこに私達はただ性急に繋がり合っていた。


「んんっ…あ……ぁ…っ……!」

あまりの激しさに逃げそうになる腰を両腕で強引に押さえられ、角度を少しずつ変えながら弱い部分を執拗に攻められると、理性など欠片もないような喘ぎが止まらなくなる。
直接触れられている訳ではない私自身からは、既に糸を引く先走りがポタポタと漏れてラグマットを汚し始めていた。

「……リョ…ウ…っ……!」

猛々しいリョウの雄を最奥まで何度も呑み込みながら手を床に這わせ、首を仰け反らせながらリョウの名を呼ぶ。
とっくに息は上がって顔は上気し、身体中は汗ばみ、床についている膝はガクガクと震えていた。
けれどスーツを着たまま激しく私を攻め立てているリョウも、荒い息を吐きながら額から溢れる汗を私の背中に落とし続けている。
獣のように四つん這いで貫かれ、獰猛に求められる事に歓喜して夢中でリョウを締め付けた。
自分を抑える事無く本能のままにお互いをぶつけ合える事が、私は嬉しくて堪らない。

リョウがこんなに余裕を無くしてまで求めているのは、誰でもない、私自身に他ならないのだから……


※次は18禁※苦手な方はご注意を