耳6
この英語準備室が昼休みの喧騒から少し遠ざかった場所にある事に、今は心底感謝していた。
それでも誰かが来るとヤバイから常に他の音に気を配ってはいるが、こういう危うい状況のせいか、普段よりやたら興奮するような気がする。
貪るように舌を絡ませながら学ランの前ボタンを性急に外し、俺から剥ぎ取った学ランをソファに放り投げる様子を薄目を開けて見ながら、それは雅史も一緒なのだとわかった。
多分お互いそんなに長くはもたないだろう。
さすがに雅史の服を脱がす訳にはいかないので、さっき前ボタンを外したシャツは羽織らせたまま中のTシャツだけをたくし上げる。
そしてキスをしていた唇を離し、背中を軽く抱き締めながら既に小さく立ち上がっている雅史の胸の飾りに舌を這わせたり唇で摘んだりした。
「…ん…っ…ぁ……ん……」
俺の動きに合わせて微かに漏れる艶に満ちた雅史の声。
背中を仰け反らせながら、爪が食い込むほどに俺の肩を掴んでいるその手の動きで、必死で声を抑えようとしているのがわかる。
それが余計煽情的で、その声が鼓膜に響く度にイってしまいそうな程自分のモノが硬く張り詰めていく。
……全くコイツは自分の声がどれだけ俺を煽っているのかわかってんのか……?
左腕で雅史の腰を机のギリギリまで引き寄せ、もう一度キスをしながら服越しに自分のモノを強く擦りつけた。
雅史のモノも既に反応を示しているが、制服の緩いズボンの俺とは違い、ジーンズの雅史にはかなりキツイだろう。
案の定雅史が強引に唇を離して耐え難いように甘い息を吐き出した。
「サト…ル…」
囁くように俺の名前を呼びながら、震える手を俺のベルトにかけて泣きそうな顔で訴えて来る。
半分辛そうで、半分甘えに満ちているその声に、身体中の血が一気に沸騰寸前まで湧き上がっていく。
……やっべぇな〜……
今日は完璧早漏決定だぜ……
雅史を机からおろし、貪るようなキスを交わしながらお互いのベルトをカチャカチャと音をさせて外し合う。
一歩早くベルトを外し終わった俺は、滑らかな肌を撫で下ろしながら腰の部分に両手を差し入れ、下着ごとジーンズを下ろして片足だけ脱がせてから雅史の体を反転させる。
そして机の上に上半身を倒させて脚を開かせると、そのまま腰を屈めて後ろの部分に舌を這わせた。
「んっ…ぁ…ぁっ!」
雅史の興奮度を示すようにすぐにその部分はヒクヒクしながら俺の舌を受け入れ、前の方に手を伸ばして扱いていくと、そこからはポタポタと先走りが漏れ始めたので、指を後ろに挿し入れながら背筋に沿って唇を這わせた。
ゆっくり解してやらなきゃならないのはわかっているのに、学校内という特殊な環境や、雅史からもらった言葉や、いつもより抑えながらも余計色っぽい雅史の喘ぎ声が俺の興奮を煽るだけ煽り、暴走し始める自分を止められなくなりそうだ。
まさかこんな風になるなんて夢にも思っていなかったから、当然のごとく俺はゴムを用意していない。
机の上に突っ伏し、自分の親指を噛みながら声を抑えている雅史の背中に覆い被さりながら、『ゴム持ってるか?』 と尋ねる。
すると一瞬迷ったような様子を見せた雅史は噛んでいた親指を離し、自分の両腕に顔を埋めて赤くなった耳だけ俺にさらしながら、首を横に振った。
「暁の……そのま…ま…でいい……」
……消え入りそうな声で呟く雅史の言葉で理性の糸がブチ切れた。
中途半端に外されていたズボンの前をくつろがせ、無言のまま雅史の細い腰を引き寄せてその部分に自分をあてがうと、取りあえずは傷を負わせないよう気をつけながらも、いつもより性急で強引にズブズブと奥に進んでいく。
首を仰け反らせた雅史の横顔を時々覗き見ると、眉根を寄せて硬く目を閉じながら唇を噛み締め、やはり辛そうに耐えているようだった。
だがもう俺も俺自身を止められない。
雅史の中に一刻も早く自分の全てを埋め込みたくて堪らなかった。
ガキくさい独占欲だとはわかっていても、雅史が他の事を何一つ考えられなくなるように、俺だけでいっぱいにさせたくて堪らなかった。
※次は18禁※苦手な方はご注意を
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