||||| レッスン |||||
「やらしい音してんなぁ…そんなに口寂しかったのか?」

「ふ…ふ…ぅっ…バカ…かっ」


ピチャリ…


口内で指が蠢めくと卑猥な音が響き渡る。

それと共に唾液がシカマルの唇の端から溢れ、首筋に銀の筋を作っていた。

アスマに対して悪態を吐き出すも、抵抗出来ぬままに口内を弄ばれる。

その悔しさと、行為に対する困惑の為か、シカマルの表情は曇ったままだ。


「…もっと舌使って指を舐めてみろ…」


このままではどうあっても状況は変わらない。とりあえず言う事を聞くしかないようだ。

そう判断したシカマルはアスマの反応を伺うように視線を上に持ち上げると、

指の腹を舌先で擽り、根元まで銜え込めば全体を吸い上げてみせる。


「…そうだ…さすが飲み込みが早いな…」


その行動を感じ取りながらニヤリと人の悪い笑みを浮かべると指を引き抜いた。


「っ…はぁ………っ満足かよ…?」


指が口内から取り除かれ、苦しげに息を吐き出す。

これで解放される…そう思って安堵していた矢先。


ジィ…ッ


「…?」


どこかで聞き覚えのある音に視線を向けた瞬間ビクリと全身が震え、そのまま時が止まったかのように硬直した。

それはズボンのジッパーを引き下げる音だった。

そしてシカマルの目の前に突き出されたのは…


既に勃起し始めているアスマの性器だった。


「…ぁ…」


シカマルは突然の事に頭が真っ白になったのか、呆然とそれを見つめたままだ。


「…銜えろ」


更に突きつけられた要求に、普段眠たげな瞳がカッと見開いた。


「…!?…っふ…ふざけんじゃねぇ…っやってられっか…!」


そして、わなわなと震えるとアスマを睨みつけ、そのまま顔を背けた。


アスマは、背中が冷たくなる反面、胸にチリチリと焼けるような熱が生じるのを感じていた。


ヒクッと、笑みを浮かべていた唇の端が引きつる。


「…ほぅ…あのガキとキスでもしたのか?」


「…だからどうしてそういう考えになっちまうんだよ……っ!」


頬に熱くなっている性器の先端が押し付けられる。


困惑と怒りと、そして悲しみと。


ギリッ…


シカマルはこみ上げる様々な思いに複雑な表情を浮かべながら歯を食いしばった。


いつまで経っても開こうとしない唇に苛立ちを感じたアスマは、シカマルの頭部へと手を伸ばす。

1つに纏められた髪を掴むと、強引に振り向かせた。

そして、もう片方の手で、髪を引っ張られる為に生じる苦痛の表情で訴える彼の鼻を摘む。

首を固定され、腕も縛られていたのではいくら動いても解ける状況ではない。

暫くは我慢していたが、鼻と口両方が塞がれていては当然息が出来るはずもなく…。


「プハ…ッ!」


耐え切れずに唇を開いたその瞬間、


性器を突き入れられた。


「…ぐ…ぅ…っ!」


まだ完全に起立してないとはいえ、侵入してきたそれに苦しげにうめく。

その衝撃に、シカマルの瞳に涙が滲んだ。


「…噛むなよ?もし噛んだら同じ目に合わせるからな…」


歯を立てようとしていたのを察してか、苦悶の表情を眺めながら冷たい声で釘を刺す。


股間へのダメージは受けると大打撃になるのは男なら誰でも分かる事だ。

その言葉に小さな身体が竦んだ。

抵抗が消えたのを悟ると鼻を摘んでいた指を離し、そしてゆっくりと腰を動かし始めた。


「ふ…ふぅ…っぐっ…」

「…ほら、さっきみたいに舌使ってみろ…。

……と言いたいトコだがさすがに無理か。口一杯になってるみたいだしなぁ」


揺さぶりながらそう言ってはみたものの、見下ろすシカマルの自らのそれを銜えてこんでいる様、

そして湿った生暖かい感触に煽られて先程よりも確実に質量を増している。


彼の表情は呼吸するのも困難なのか苦しげだ。

みっしりと埋め込まれて舌を動かす余裕もないだろう。

そう判断したアスマは、そのまま本能の赴くままに腰を上下させる。

頭部を掴まれ、本来なら口に入れる筈のない異物に咽喉奥を犯される。

その苦しさによってか、揺さぶられる震動によってか…硬く閉ざした目から涙が零れ落ち頬を伝い、

飲み込めない唾液と先走りが混ざる透明な液が唇の端から溢れ出した。


「…く…っ…出る…っ」


ひとり言のように呟き一際強く腰を押し付けると唐突に動きが収まり、大きな身震いを1つ。

その瞬間、咽喉奥へと勢いよく熱いものが注ぎ込まれた。


「…っんぐ…ぅっ!!!」


その衝撃に閉じていた目がカッと見開くが抵抗する術もなく咽喉へと流し込まれるそれを受け止める。

性器で蓋をされている状態では飲み込むことも吐き出すことも叶わず口内に満たされて行く精液。

放出する事で埋め込まれた質量が小さくなるにつれて、唇から首筋、帷子へと流れ落ちていった。


「…ふぅ……」


全てを吐き出し終えると、ようやく口から萎えたそれを引き抜いた。


「…ゴホッ、ゴホゴホ…ッ……ッ…!」


ようやく唇が解放されるやいなや咳き込む。

その度に布団やシカマルのズボンへと白い液体が飛び散っていく。


「さて…次は下のお口をレッスンにいくか?」


その光景に酷く冷たい笑みを浮かべて言いやり、彼がどんな表情をしているのか見てやろうと掴んでいた髪を引き下げ、

強引に上へと向かせた。


次の瞬間アスマの全身は凍りつく。


シカマルは何の感情も移さない瞳をぼんやりと彷徨わせていた。


「…そんなに俺の事…信用ならねぇかよ…」

「…っ!」


無気力な声でポツリと呟かれる言葉。


その一言に堪らず屈みこむと肩を掴み、そのまま強く抱き寄せた。


「……」


彼は驚いたのか一瞬身を強張らせるも、されるがままだ。


「…っすまない…。俺…」

「……泣きたいのはこっちだって…」


今にも泣きそうな顔と声で謝罪を口にしたアスマに、シカマルは溜息を1つ吐き出す。

その吐息に促されるようにアスマは顔を上げると瞳に、涙の筋を辿るように頬にキスを、

そして唇を重ねようとする。


「…っ!お、おい…アンタ…っ…俺の口、今…っ!」


シカマルは頬までは大人しくしていたものの、唇が重なりそうに顔を背ける。

口内には先程吐き出されたばかりの精液の味が残っているからだ。


「…構わん」


そう呟くと半ば強引にキスをした。

蜜と、煙草の味が混ざるその口付けを交わすと小刻みに身体が震え、

堰を切ったようにシカマルから涙が溢れ出した。


シカマルの身体は酷く冷たい。

表情や態度には出さなくても余程怖かったのだろう。


アスマはそれを暖めようとするかのように強く強く抱きしめた。

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