泣き疲れてそのまま眠ってしまったシカマルの拘束を解いて布団へと横たえさせると、
傍に胡座をかきアスマは煙草に火をつけた。
これは嫉妬だ。
自分には見せた事もない笑顔を向けていた事への。
それも10以上離れた子供に対してに、だ。全くもって大人気ない。
湧き起こる衝動のままに手酷い扱いをしてしまった。
ただ黙々と煙草を何本も消費させながらその事による後悔と罪悪の念に心を痛める。
「きっと面倒くさいヤツに関わっちまったと思ってるんだろうな…」
「………全くだぜ…」
「…!…き、気づいてたのか!?」
アスマにすればひとり言のつもりだったのだが聞かれていたようだ。
いつの間にか目を覚ましていたらしい。赤く腫れ上がったシカマルの瞳がゆっくりと開く。
「……無茶苦茶しすぎ…死ぬかと思ったし…」
文句を言うその声は細く今にも消えそうに掠れていた。が、アスマの顔を見た瞬間突然噴き出した。
「ぷっ…くくく……っ!」
シカマルの説教に項垂れていたアスマは笑い出した姿に狼狽して思わず腰を浮かせた。
「……ちょっと…」
暫く笑いを堪えていたようだがやがて半分目が座ったような状態で腕を持ち上げて指を軽く曲げ、
アスマにこちらへ来いと呼ぶように指先で手招いた。
それに応じて身を屈め、肘をシカマルの傍らへ置く。
何をされるのかと、恐る恐る顔を近づけていくと……。
ポン。
頭部へとその手が置かれる。
予想外な行動に今度はアスマが目を見開いた。
殴られなり、頬を抓るなりされるのかと思っていたのだが。
「……ったく…ちょっと誰かと話してただけで嫉妬かよ。…ったく、しゃあねぇなぁ」
短く刈った髪を力ない手付きで撫でられながらそんな事を言われる。
「…すまん…。いや、ゴメンナサイ…」
大人と子供の立場が全く逆の状態である。
「そんな情けねぇ顔すんじゃねぇよ。男だろ?」
苦笑して悪態を吐きながらも、何度も何度も頭を撫でてくる。
それに対して、何度も同じ言葉を繰り返す事しか出来なかった。
(そういうトコが放っとけねぇんだよ…アンタは)
今にも泣きそうになるのを堪えているような…そんなアスマの表情を眺めながら愚痴を零しつつも、
シカマルは胸の内にそんな言葉を秘めていた。
-了-
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【あとがきっぽいもの】
ほ、本番書けませんでした…。
…これ以上文章長くしてどうする自分。って感じだったので…。
というか自分で言い出した事とはいえ、これはある意味羞恥プレイですよ。
ヘタれてスンマセン…(吐血)
タイトルそのまんま、お口の「レッスン」だったのですが、い、いかがでしたでしょうか?
自分的には頑張りましたが……アスマの鬼畜っぷりが温かったですか??
個人的にはピアスをカチリとするシーンがお気に入りだったりしますが。
というワケで、絵茶の時の落書き(?)に触発されたアスシカレッスン文、チナ様に捧げます♪