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黒暑―こくしょ―

2011/06/29 Wed
m25


!注意

グスタフ×ユウキで節電?小話。
捏造カプだったりしますが、節電は無理せず計画的に。


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キッチンで珈琲を淹れていると、リビングからゴト、という音が響いてきた。
室内に一人でいれば何の音だと怪訝にも思うが、グスタフは大して気にした風もなく細かい氷の入ったグラスに珈琲を注ぎ入れ、ポーションとガムシロップを一つずつ持ってキッチンを出た。
リビングへと足を向ければ、大方の予想通り、開け放した窓の前で見慣れた茶髪が倒れている。
先ほど聞こえた不穏な音は、差し詰め勢いに任せてフローリングに倒れこんだ音だろうと当たりをつけてローテーブルにグラスを置いた。

「ユウキ、起きろ」

呼びかけに、ぴくりと肩が揺れるがそれだけだ。
どうやら梅雨とも思えない今年の暑さに相当参っているらしい。
グスタフとて暑さに強いわけではないが、もともとの体温が低いせいかそこまで辛くはなかった。
ユウキがこれほどバテているのは、基礎体温が高いからではないかとも思うが、それを指摘して子どもの臍を曲げることはあるまい。
そう心中で結論付け、賢明にも沈黙を選んだグスタフはアイスコーヒーの片方へガムシロップとポーションを入れて掻き混ぜた。
濃い黒の中でシロップとポーションが層を刻み、マドラーによって境界線を壊されていく。
未だ冷たいフローリングに懐いているユウキの首根っこを掴み、猫の子を持ち上げるように上に引っ張ると漸く手が持ち上がって自重を支えた。

「…グスタフさん、苦しいです」
「なら自力で起きろ」

いつになく弱弱しい声に何も思わない訳ではないのだが、このままフローリングに寝かせているよりも水分を補給した方が身体の為だろう。
ぼんやりと風に当たっているユウキに甘くなったアイスコーヒーを手渡すと、両手でグラスを受け取って頭を下げた。

「すいません、手伝いもしなくて…」

申し訳なさそうに眉尻を下げるユウキの頭を、気にするなという意思表示を込めて掻き混ぜると、僅かに憮然とする。
子ども扱いをされるのを嫌うということは知っているが、落ち込んだ様子の子どもに掛ける言葉など知らないのだから仕方がない。
ユウキは暫くグスタフと、ユウキ仕様に甘くされたアイスコーヒーを見比べていたが、喉の渇きには勝てなかったのか小さく肩を竦ませてから口をつけた。

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[Serene Bach 2.23R]