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ブラックラインの攻防

2011/03/24 Thu
m25


しかし、オズワルドは紳士然とした空気を壊すことなく、人当たりの良い笑みを浮かべて歓迎の言葉を口にした。

「―――珍しい組み合わせですね?」

それでもやはり、接点があるとは思えないジェネラルとヨハンの関係が気になるのか、小さく首を傾げて見せる。
オズワルドが知らない知人などジェネラルには数え切れないほどいるのだろうとは思うが、共に暮らし始めてから自宅に誰かを招いたことはなかったのだ。
若干の好奇心と小さな懸念、けれど大部分は純粋な疑問として問えば、ジェネラルからではなくヨハンから返答が返ってきた。

「別段珍しくもないが?」

オズワルドの問いに、鳩の血のように深い赤の瞳が微かに和んだ。
笑みの浮かぶ唇も僅かに色づいており、同性でも思わず見惚れてしまいそうな艶がある。
男前な方ですねぇ、と心中で呟くも、オズワルドにはそれ以上の感慨は浮かばない。
それよりも、過去ジェネラルとタッグを組んだわけでもないヨハンが珍しくない組み合わせだと言ったことの方が気になった。
無粋な邪推だという自覚はあるが、思わず確かめるようにジェネラルへと視線を移した。

「そうなんですか?」
「―――……古馴染みだな」

サングラスに隠された瞳に虚偽を言うことが出来ず、ジェネラルは差し障りのない言葉を返した。
ジェネラルとヨハンの関係を指すにあたり、ある意味では正しい形容なのだが、それでもオズワルドを騙していることに変わりはない。
かといって真実を言えば傷つけるだろうし、もっと突き詰めれば、真実を言って嫌われることが怖かった。
数多の死線を掻い潜ってきたジェネラルとて人間なのだ。恋をすれば臆病にもなる。
けれど、ヨハンはそんな人間味溢れるジェネラルの葛藤を見咎めると、それはそれは愉しそうに喉を鳴らした。
気に入った玩具を前にすることなど決まっている。
ヨハンは爆弾だと自覚している言葉をするりと唇から滑らせた。

「随分前に肌を重ねた、な?」

破壊力抜群の言葉に、オズワルドとジェネラルの視線が一斉にヨハンへと向かう。
二対の瞳を一手に引きつけたヨハンは腹の底から湧きあがってくる笑気に口元を押さえつけた。
オズワルドは一瞬ヨハンが性質の悪い与太話を始めたのかと思い、困惑したようにジェネラルへと視線を移した。

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[Serene Bach 2.23R]