ブラックラインの攻防
2011/03/24 Thu
m25
「閣下は……閣下は、素敵な方ですから、私の前に誰もいないなんて、そんなことはあるはずがない」
ぽつり、ぽつりと呟きを零していくたびに、涙がつられるように落ちていく。
細い身体をさらに小さくさせて泣くものだから、痛々しく見えて仕方がない。
そして、こうまで泣かせてしまったの原因はヨハンではなく自分なのだ。
過去にやったことを悔やんでも、事実は消せない。なかったことになど出来ない。
それでも、あの頃の自分にもう少し分別があったらと思わずにはいれない。
「―――ですが…、ですが…っ」
溢れる涙に阻まれて、オズワルドは言葉に出来ない感情を何とか言葉に出そうとする。
オズワルド自身にも、なんと続けたいか分からないのだろう。
そこまで理性を掻き乱されるほど、オズワルドにとってジェネラルの存在は大きいのだろうか。
もしそうだとしたら、尚のこと申し訳ない気持ちが溢れかえる。
「オズワルド、」
「…ッ」
何度目かの呼びかけに、オズワルドが袖口で乱暴に目元を拭った。
紳士然としたいつもの彼らしからぬ行動に驚くよりも先に、刺激に弱い瞳が痛まないかが気になった。
けれど、そんな懸念はすぐに思考から吹き飛んだ。
「――ッ!?」
オズワルドが僅かに腰を浮かしたと思ったら、傷の少ない手がジェネラルの性器へと添えられたのだ。
一度熱を吐き出したにも関わらず、触れられた冷たい手の感触に反応して、緩やかに頭を擡げる欲の証にジェネラルの頬に朱が走る。
咄嗟に制止を呼びかけようと口を開くも、起立した陰茎の先に乾いた皮膚を感じて息が詰まった。
狼狽が過ぎて、一瞬オズワルドが何をしたいのか分からず固まってしまう。
一切の制止を忘れたジェネラルに取り合わず、オズワルドはゆっくりと腰を下ろし始めた。
そこで漸くオズワルドがしようとしていることに気づき、喉が引きつった。
「、待てッ」
言葉で止めるが、降りてくる腰が止まることはない。
何の準備も施されていない後孔は慎ましく閉じ、このまま無理にジェネラルを受け入れれば間違いなく傷ついてしまう。
本来他者を受け入れるように出来ていない身体であるにも関わらず、オズワルドは決して止めようとせず、そのまま無理に呑み込んでいく。
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