消失地点
2010/12/16 Thu
m25
「―――ひ、ぁ…あぁッ…ぃし…さま…っ」
否定も拒絶も出来る立場ではないと理解していながら、制止を求めてゲーニッツの名を幾度も呼んだ。
貫かれるたびに身体が崩壊へと走り出す。苦痛と屈辱しか感じない性交は絶えずグスタフの精神を蝕んでいく。
必死になって現実を否定するが、貫かれる熱も、肌に落ちるゲーニッツの吐息も現実のものに違いなく、視界を涙で揺らした。
グスタフはせめて、この陵辱が一瞬でも早く終わることだけを祈り、唇の裏に歯を立てる。
がり、と皮膚が裂ける音がして、口腔に血の味が広がった。
「――…おや、こちらも切れましたか?」
「さぃ、し…様…ッ」
からかうような声があまりに常どおり過ぎて、グスタフの心身を切り刻んでいく。
痛みと苦しみで彩られ、疑問で溢れる瞳はゲーニッツを心底愉しませた。
穢されていくグスタフを視線ですら犯し、血の流れる唇を長い舌で舐めあげる。
ぞろりとした人外然とした冷えた舌の感触に、グスタフは咄嗟に瞼を閉じた。
力任せに閉じた瞼は細かく震え、ゲーニッツの進入を阻むように唇はしっかりと閉じられている。
ゲーニッツはそんなささやかな抵抗には、興味も見せずに徐にグスタフの足を抱え上げた。
そして、まるでグスタフの反応を咎めるかのように激しくその身を揺さぶった。
揺さぶられるたびに、未だ萎えたままの陰茎が腹へと当たって、慰みものを勤めている自身を一層自覚する。
「―――ぃ…あッ」
閉じたはずの唇はみっともなく解け、まるで女のように弱い声が漏れた。
現実を否定するように何度も頭を振り、そのたびに長い黒髪がシーツに散る。
グスタフは藁にも縋る思いで、慈悲を乞うようにゲーニッツを見上げた。
涙で潤んだグスタフの澄んだ夜のような黒々とした瞳で、一心にゲーニッツを見つめる。
その瞳がゲーニッツの縦長の瞳孔と合わさった瞬間、グスタフの中で熱が内壁を震わせるように痙攣した。
グスタフの背筋に悪寒を伴う不快感が走りぬけ、咄嗟にゲーニッツの熱を拒むように締め上げる。
拒絶のつもりで下肢に力を込めるも、全体を包み込む圧はゲーニッツの限界を促した。
初めてらしいきつい締め付けに逆らうことなく、ゲーニッツはグスタフの身体を強く押さえつけると、そのまま熱を爆ぜさせた。
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