QLOOK?A?N?Z?X????

Macademia Nut

2010/11/29 Mon
m25


これは本格的に身を病に侵されているのだろう。
珍しく自分から引き下がるジャギにバルバトスも強くは言わず、自室へと姿を消す後ろ姿を見送る。
最後の最後まで、邪魔すんなよ!と念を押したところは少しジェノサイドブレイバーを叩き込みたくなったがグッと堪えた。
リビングからジャギが消えてしまうと、途端に静寂が訪れ、バルバトスはフン、と鼻を鳴らす。
テーブルの上には簡単ながら、胡椒が利いたチャーハンとカラリと揚がった唐揚げ、それに玉子でとじた中華スープが乗っている。
バルバトスの帰宅に合わせて昼食をわざわざ用意していたジャギに、バルバトスの紫珠の瞳が細まる。

「…………馬鹿か、あいつは」

ポツリと一人ごちて、バルバトスは妙に熱い首筋を掻きながらテーブルに着いたのだった。





「あ゛〜、やべぇ…、喉まで枯れてきやがった……」

重いメットをサイドテーブルに置いて、素顔を晒しながらジャギは枕に懐いていた。
火照る身体を何とか冷まそうとシーツに素肌を擦り付けるが、焼け石に水だ。
鼻を啜り上げ、自分の身体を指で弄り、秘孔を探すが何度圧しても効果は現れない。
本来は自身の体内に溜まる気を増幅させ、自己治癒力を高めるのだが如何せん元となる気が少なすぎる。
こんなことならトキにきちんと習っておけば良かったと思っても後悔先に立たずだ。
だからと言って、風邪ごときで心配性で兄弟一優しい兄を頼りたくはなかった。
口では殺されても言う気はないが、信用し尊敬している相手だからこそ見栄でも意地を張りたい。

「まぁ、あいつも黙っててくれるだろう……」

身を僅かに捩りながら、唯一、臥せっていることを知っている相手―――バルバトスのことを考える。
バルバトスは理不尽なくらい強い上に超が付くほど強引な癖、妙なところで子供っぽいのだ。
だから、ジャギが実家の面子を頼ろうとすると余り良い顔はしない。
最も、そういう所はほんの少しだけ『可愛い』と思わなくもないので、実際は五十歩百歩なのだが。

(飯、食いやがったかな……)

頭まで布団をかぶりつつ、一度意識を引かれてしまった相方のことばかりに思考が支配される。
チラ、と扉へ視線を投げれば、酷く静かで気配も空ろだった。

[7] << [9] >>
-
-


<< 酔っ払いの作法
師走の恋人 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.23R]