QLOOK?A?N?Z?X????

Cry Me to the Moon

2010/11/24 Wed
m25


「な、泣いてなんか…っ」

図星を指されると今まで堪えていたものが溢れだしそうになる。
まるで子供に言うみたいに優しい声を出す癖に、子供のユウキが嫌いなのは知っているのだ。
それでもグスタフの掌はユウキを叩くでもなく、叱るでもなく、頭の上に乗せて、よしよしと柔らかく慰めてくれる。
完全な子供扱いには既に慣れている、悔しいほどに慣らされている。
ユウキは唇の裏を噛んで、グスタフの足に両手を掛けた。

「……グスタフさん、キスしてください」
「今か?」
「どうせ、呼び出されたんでしょう。止めませんから、キスしてください」
「…………」

ユウキの言い分がどれだけ子供のようかは誰よりユウキが分かっている。
けれど、ここで大人しく引き下がっては子供云々以前に都合が良過ぎる相手だ。
例え、グスタフの時間を分けて貰っているのだとしても、堪えている涙が溢れそうになる。
グスタフは一瞬考えるような顔を見せてから、ユウキの背中に腕を回して持ち上げるように抱き寄せた。
洗練された紳士的な仕草に、ユウキの視界の歪みが更に酷くなる。
抱き寄せられるままにグスタフの肩に手を掛けて、顎に添えられた指に従う。
グスタフの瞼が下ろされ、普段は目立たない睫が目元に影を落とす。
ギリギリまでグスタフの顔を眺めながら、ユウキもゆっくりと瞳を伏せる。
しかし、あと少しで唇が触れるという段階になって、ふと舌にのる味を思い出す。

「グ、グスタフさんっ!!」

その途端、ユウキは慌ててグスタフの肩を力任せに押し返そうと試みる。
狂った火力を誇るグスタフの腕力には到底太刀打ちできないが、ユウキの意思を感じ取ったグスタフは動きを止めた。
僅かに瞼を押し上げて、瞳に疑問の色を乗せると、頬を赤く染めたユウキの姿が目に映った。
目元に熱をためながら、消え入りそうな声で告げてくる言葉に耳を傾ける。

「…………う、うがいしてから…ッ!」
「―――…子供が気を使うな」

グスタフは一瞬噴出しそうになって、目も閉じないまま、ユウキの腰を抱き寄せ唇を重ねた。
当然、甘いレモンの味と言う訳にはいかなかったが、驚きに目を見開いて、それでもまだ肩を押し返そうとする必死なユウキは悪くなかった。
ぞろり、と舌を唇に這わせれば、ユウキが顎を引き、歯を食いしばって進入を拒む。

[7] << [9] >>
-
-


<< Lesson 00
酔っ払いの作法 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.23R]